カラドジョウ

カラドジョウ（唐泥鰌）についての詳細

カラドジョウ（学名: Misgurnus dabryanus）は、コイ目ドジョウ科に属する淡水魚で、その原産地は主に中国大陸です。この魚は特に水田や農業水路などに生息し、最近では日本にも外来種として広がりを見せています。

分布

カラドジョウは広範囲にわたって分布しており、アムール川を始め、中国の中南部、海南島、台湾、インドシナ半島、さらには朝鮮半島にも生息しています。日本では、本州や四国などに導入され、各地で定着しています。また、「カラ」という名前の由来は中国から来ていると言われています。

形態

この魚の成魚は通常、体長が10〜20cmに達します。カラドジョウの特徴的なポイントは、5対の口ひげがあり、ドジョウ（Misgurnus anguillicaudatus）に比べて口ひげが長くて、尾柄部の体高が高いことです。加えて、尾びれの基底上部にはドジョウに見られる暗色斑がなく、これが両種を見分ける一助となります。しかし、個体の変異により識別が難しい場合もあります。

分類

かつてカラドジョウはカラドジョウ属のParamisgurnus dabryanusとして定義されていましたが、近年の研究によりドジョウ属のMisgurnusに含まれることが提唱されています。過去にはMisgurnus mizolepisという学名も用いられましたが、現在ではP. dabryanusの新しいシノニムと考えられています。

生態

カラドジョウは主に水田や農業水路に生息しており、食性は雑食性です。彼らはカイミジンコ類、ホウネンエビ、ケシゲンゴロウ亜科の幼虫、ミズムシ、ユスリカなどの底生生物を捕食します。特に冬季には冬眠のような状態に入り、ほぼ餌を食べずに過ごすことが知られています。繁殖期は4月から6月にかけてで、水温が20度を超える頃に水田や小溝、浅い湿地で産卵を行います。飼育下では10年以上生存することもあります。

地方名

島根県では「ヒラドジョウ」として知られており、地域によって異なる呼び方が存在します。

外来種問題

カラドジョウは1960年代に日本に導入され、青森県から九州地方に至るまで各地に広がりました。しかし、その特徴がドジョウに似ているため、放流の際に混じることが多く、知らず知らずのうちに生態系に影響を与える懸念があります。在来種のドジョウと同じ環境で競争し、駆逐されることが考えられています。そのため、カラドジョウは外来生物法に基づく生態系被害防止外来種に指定されています。

とはいえ、現実には日本各地には、古くからカラドジョウの特徴を保有する在来のドジョウが生息していたという報告も存在します。このように、外来種としてのカラドジョウの影響は一概に言えない部分があり、バランスを保つためのさらなる研究と対策が求められています。

イギリスでは、ドジョウ類の輸入が規制されており、他国でも類似の取り組みが進められています。カラドジョウの管理と保護には、既存の生態系を守るための継続的な努力が必要です。

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