カルダーの戦い

カルダーの戦い

カルダーの戦い（英語：Battle of Kharda）は、1795年3月11日にインドのカルダーで実施された軍事衝突です。この戦闘は、マラーター同盟（マラーター王国）とニザーム王国との間で行われ、マラーター軍が勝利を収めました。敗れたニザーム側は広範囲にわたる領土を割譲し、巨額の賠償金を支払うことを余儀なくされ、この結果としてニザーム王国はイギリスの保護下に入ることとなりました。

戦闘に至る背景

マラーター王国とニザーム王国は、1792年の第三次マイソール戦争で共同戦線を張ってマイソール王国を事実上の降伏に追い込みました。この戦争の結果、双方は領土を獲得しましたが、マイソール王国の影響力が低下したため、両国の間に敵対的な関係が生まれました。特に1794年以降、両国の亀裂は目に見える形で表れました。

イギリスはこの期間、マラーター王国とニザーム王国との三者同盟を形成しましたが、カルダーの戦いの前には中立の姿勢をとっていました。イギリスはマラーター王国の力を警戒しつつも、ベンガルと南インドを基盤とする覇権について気を配っていました。ニザーム王国はビーダルに宮廷を移し、大規模な軍を動員し始めましたが、イギリスがその行動を阻止しようとしても、成果は上がりませんでした。

1795年12月、ニザーム軍はビーダルを離れてマラーター王国の首都プネーに向けて進軍しました。ニザーム軍の規模は90,000人から110,000人で、一方、マラーター軍は130,000人に達し、有力な諸侯も支援に加わりました。両軍の進行は遅々として進まず、ニザームは進軍しながら狩猟を楽しむ余裕さえありました。また、賄賂や諜報活動を通じて相手側を攪乱しようとしていました。

戦闘とその後の講和

1795年3月11日、カルダーで両軍は激突しました。戦闘ではマラーター側の騎兵による強力な攻撃が行われ、ニザーム側は内部の不統一により効果的な反撃ができず、速やかにマラーター軍の勝利が決まりました。敗れたニザームは砦に逃れ、その後、和平交渉の模索をすることになります。

交渉はニザームのイスマーイール・ハーン・パンニーが担い、残りのマラーター側の諸侯との接触を試みましたが、拒否されました。最終的にニザームはホールカル家のヤシュワント・ラーオに希望を託しました。4月10日、戦闘に基づく講和条約であるカルダー条約が結ばれ、ニザームはダウラターバード、アウランガーバード、アフマドナガル、ショーラープルなどの地域をマラーター王国に割譲し、3000万ルピーの賠償金を支払う約束をしました。さらにニザームはボーンスレー家に対しても290万ルピーを支払うこととなりました。

その後の動向

この敗北は、ニザーム王国のマラーターに対する劣勢を露呈するものでした。ニザーム・アリー・ハーンは今後の脅威を和らげるため、イギリスに従属する藩王国の道を選ぶことを余儀なくされました。戦争から3年後の1798年には、ニザーム王国とイギリスとの間で軍事保護条約が締結され、イギリス軍の駐留増強やフランス人部隊の解散が約束され、ニザーム王国はイギリスの従属国となりました。

このように、カルダーの戦いはインドにおける権力関係の変動と、イギリスの影響力の高まりを象徴する重要な出来事となりました。

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