カルロ1世 (シチリア王)

カルロ1世の生涯

基本情報

カルロ1世（イタリア語: Carlo I d'Angiò）は、1227年に生まれ、1285年に亡くなった。シチリア王（1266年 - 1282年）、後にナポリ王（1282年 - 1285年）を務めた彼は、カペー系アンジュー家の祖であり、フランス王ルイ8世とブランシュ・ド・カスティーユの子である。特にシチリア王としての活躍により、しばしば「シャルル」と呼称される。彼はシチリア王国を征服し、さらには地中海帝国の建設を目指したが、失敗に終わることになる。

初期の経歴

カルロは1246年にプロヴァンス伯の娘ベアトリスと結婚し、プロヴァンス伯領を継承した。その後もフランス王家から親王采地であるアンジュー、メーヌ伯領を受け継ぐ。しかし、地元の諸侯や市民からはフランス式の集権的支配に対する反発が強く、これによって反乱が勃発することになる。彼は1262年までこの反乱を鎮圧することができなかった。

十字軍の参加

1248年には兄のフランス王ルイ9世が主導する第7回十字軍に参加し、兄と共にエジプトで戦ったが捕虜となる。その後、解放された彼はフランスに戻り、摂政として権力を振るった。1270年に行われた第8回十字軍にも参加したが、そこでも兄の死を見届けることになった。

シチリア王国の征服

1252年、ローマ教皇インノケンティウス4世からシチリア王位の提示があったが、兄の意向で話は流れた。しかし、1258年に状況が変わり、マンフレーディが台頭すると、カルロは1266年に教皇からシチリア王として戴冠される。この間に行われたベネヴェントの戦いでマンフレーディを討ち、シチリアを征服する。後に、ホーエンシュタウフェン家を根絶することで南イタリアの支配を確立した。

地中海の野望

カルロは更なる野心を抱き、東ローマ帝国を征服しようとするが、これには様々な政治的工作が必要であった。彼はアカイア公国との同盟を結び、さらにラテン帝国とエルサレム王国の権利を確保する。そして、これを背景にして東方への侵攻を企てるが、時の教皇と東ローマ帝国の政策によりその計画は一時中断される。

シチリアの晩祷事件

1282年、カルロは再度シチリアへの侵攻を試みるが、地元住民の反感を買い、シチリアの晩祷事件が勃発する。反乱が広がる中、彼は事態を軽視し、結果としてシチリアを失ってしまう。住民はアラゴン王ペドロ3世に援助を求め、彼がシチリア王を名乗ることにつながった。

ナポリ王国と最期

以降、カルロとペドロ3世の間で争いが続く。カルロは教皇を味方に引き込み、アラゴンを攻めるが、戦果は伴わず、逆に彼の長男も捕虜となる。1285年、最終的に彼は病に伏せ、亡くなる。彼の死後、息子のカルロ2世が後を継ぐが、シチリアの支配は持続しなかった。

シャルルの夢

カルロ1世の持った夢は、フランス王国やシチリア王国といった大国を背景に、地中海帝国を築くことにあった。彼は甥フィリップ3世を神聖ローマ皇帝に据え、最終的にはエルサレムを奪回しようと ambitionを持っていたが、その夢は叶わないままとなった。

家族

彼は最初の妻との間に4男3女を持ち、後に再婚して一人の娘を儲けている。彼の子孫は後の王朝にも影響を与えた。

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