カントリー・キャプテン

カントリー・キャプテンについて

カントリー・キャプテン（Country Captain）は、アメリカ南部で広く親しまれている料理で、鶏肉をカレー風味に調理し、白米を添えて提供されます。この料理は、ニューヨークとフィラデルフィアを経由してアメリカに紹介され、インドに起源を持っています。この料理はアメリカ軍人ジョージ・パットンの好物でもあり、その名誉を称えてアメリカ軍のレーションにも加わっています。

料理の特徴

基本的なカントリー・キャプテンは、炒めた鶏肉を主成分とし、タマネギやカレー粉を使ったシチューとして仕上げます。通常はアーモンドやゴールデン・レーズン、ザンテ・カラントが加えられ、トマトやニンニク、ピーマンも時折含まれることがあります。料理は、ご飯の上にシチューをかけて盛り付けられ、加熱された食材は同一の鍋で調理されます。料理研究家のMamrej Khanによれば、これはアングロ＝インディアン料理から進化した多国籍な一皿と言えるでしょう。

アメリカ合衆国のフランクリン・ルーズベルト大統領もこの料理のファンだったため、カントリー・キャプテンはアメリカの文化にも深く根付いています。ジョージ・パットンがルーズベルトを訪れた際にも、この料理を楽しみました。多くの有名なシェフ、例えばポール・プルドームやポーラ・ディーン、エメリル・ラガッセなどもそれぞれのレシピを持っており、多様なアプローチでこの料理を再解釈しています。また、BBC Oneの『サタデー・キッチン』では、アトゥール・コッチャーがカントリー・キャプテンを調理する様子が放送されました。

特に印象的なエピソードとして、料理人サイラス・トディワラが『サタデー・キッチン』で作ったバリエーションは、ジャガイモの層の下で焼きあげられ、シェパーズパイにも似ています。彼は2012年のエリザベス2世のダイヤモンド・ジュビリーの際、特別にハーロウのKirishna Avanti schoolでこの料理を披露しました。その際に使用された食材には、オークニーの海藻を食べて育ったノース・ロナルドセー種の子羊が含まれていました。

起源

カントリー・キャプテンの起源は、インドのシンプルな鶏肉料理や狩猟料理に由来し、それらはイギリスの将校たちの心を掴んだと考えられています。ある説では、香辛料貿易をしていたイギリスの船長がチャールストンの町に寄港した際、町の女性たちからの歓迎を受け、そのお礼に料理の作り方を教えたことがカントリー・キャプテンの起源だとされています。この船長がイギリス東インド会社の関係者であった可能性が高いとされています。

料理名の「カントリー」は、イギリスではなくインドに起源を持つものとして名付けられています。つまり、「インドから来たキャプテン」という意味があり、名称に含まれる「キャプテン」は食用の雄鶏を指す「capon」という言葉が変化したという説も存在します。

1991年、ニューヨーク・タイムズのコラムニストであるモリー・オニールは、カントリー・キャプテンの料理を研究しました。その過程で発表された1857年の「Miss Leslie’s New Cookery Book」には、初めてアメリカでのカントリー・キャプテンのレシピが掲載されていたことが明らかになり、当時のレシピには「上等な大人の鶏」が必要とされていました。20世紀初頭には、ニューヨークのデルモニコというレストランで料理人がアーモンドやスグリを加えた新しいレシピを創出し、後に多くの料理本で紹介されました。フードライターのセシリー・ブラウンストーンもカントリー・キャプテンの愛好者で、「まがい物」として批判されたカントリー・キャプテンについて積極的に発言していました。

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