カンナダ語

カンナダ語について

カンナダ語（ಕನ್ನಡ、英: Kannada）は、インド南部のカルナータカ州で公用語として使用され、ドラヴィダ語族に属する古い言語の一つです。2001年には約3770万人の話者が存在し、多くの方言が地域ごとに異なる特色を持つことが特徴です。カンナダ語には独自の文字、カンナダ文字があり、これもまた言語の重要な要素です。時折、カナラ語と呼ばれることもあります。

歴史的背景

カンナダ語は2500年以上の歴史を有し、カンナダ文字の使用は1900年前から始まっています。言語の成り立ちは他のドラヴィダ語族と共通しており、過去の数世代にわたり、サンスクリットをはじめとする外来語からも影響を受けてきました。カンナダ語は屈折語であり、男性、女性、中性の3つの性と単数・複数の2つの数を持っています。本文語と口語では異なる表現が見られ、地域ごとの方言が多様であるものの、文章語としての共通性も維持されています。

地理的分布

カンナダ語の主要な話者はカルナータカ州に集中していますが、周辺のアーンドラ・プラデーシュ州、マハラシュトラ州、タミル・ナードゥ州、ケーララ州にも広がっています。また、アメリカやイギリス、カナダ、オーストラリアにもカンナダ語を話す人々が存在します。

公的地位

カンナダ語はインド憲法で定められた22の公用語の中の一つであり、カルナータカ州では州の公用語とされています。これにより、教育や政府の公的な文書などで広く使用されています。

音声と音韻の特徴

カンナダ語の音声体系には5つの短母音と5つの長母音があり、子音には多様な音素が存在します。言語内の音の現象としては、連声や形態論的な特徴があり、語の構成や変化の仕方に影響を与えています。接尾辞を用いることで名詞や動詞が変化し、文中での役割を果たします。

文法と構文

カンナダ語の基本的な文法はSOV（主語-目的語-動詞）順であることが特徴的です。また、格の表現や受動態の使用など、複味に富んだ文法現象が見られます。接辞によって動詞の活用が行われ、時制やアスペクトが明示されるため、文法的にも多様性があります。

表現方法

日常のあいさつ表現には「Namaskāra」や「Sat srī akāl」などがあり、地域の文化や宗教に関連した多様な表現が使われます。

文字と書き方

カンナダ文字は古代インドのブラーフミー文字を起源に持ち、曲線の多い字体が特徴です。カンナダ語専用の文字体系は、同じく南インドで用いられるテルグ文字と類似性を持ち、発音や音韻的な要素を反映しています。

日本における研究の動き

近年、日本でもカンナダ語に関する文献が出版されています。特に、三省堂から発刊された『カンナダ語・日本語辞典』などが、研究や学習の基盤となっています。

カンナダ語はその豊かな歴史と文化的背景を持ち、現代でも多くの話者がその美しい言語を使用し続けています。

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