ガスター

株式会社ガスターの歴史と事業展開

株式会社ガスター（GASTAR）は、神奈川県大和市に本社と工場を構える、リンナイグループに属するガス機器メーカーです。かつては自社ブランドで幅広いガス機器を製造・販売していましたが、現在は主に東京ガスのブランドでガス給湯器、風呂釜、TES熱源機などを製造しています。

創業から現在まで

ガスターのルーツは、戦前からガス器具を製造していたエスヤ製作所に遡ります。1959年、東京瓦斯と東洋棉花の共同出資により、関東ガス器具株式会社として設立されました。当初はコンロ、ストーブ、風呂釜といったガス機器に加え、寒冷地向けの石油ストーブも手掛けていました。

1965年には集合住宅向けのバランス釜の製造を開始し、日本住宅公団へ納入を開始。同年、石油ストーブ部門はガスター販売株式会社（現在のサンポット）として分離独立しました。1967年には本社と工場を現在地に移転し、1971年に社名を株式会社ガスターに変更しました。

1980年代以降、ガスターは技術革新を積極的に進め、1984年には壁貫通型ガスふろ給湯器（ホールインワン）を開発。1987年には空調機器部門を設立し、ガスエンジンヒートポンプエアコンの販売を開始しました。1989年にはINAX（現LIXIL）と業務提携し、共通ブランド「YUMEX」で製品を販売しました。

1990年代には、床暖房用温水マットやCOセンサー付FE給湯器の開発、次世代給湯器「アステージシリーズ」の発売など、技術力を活かした製品開発に注力しました。これらの技術開発は、日本燃焼学会技術賞や日本瓦斯協会技術大賞を受賞するなど、業界からも高く評価されました。

2000年代に入ると、リンナイとの業務提携により、東京ガス向けの給湯事業に特化し、TES部材の製造やTES熱源機の製造・販売を開始しました。また、ガスエンジンコージェネレーションシステム「ジェネキュー」や潜熱回収型高効率TES熱源機（エコジョーズ）など、環境負荷低減に貢献する製品の開発にも力を入れました。

2015年、親会社であった東京ガスがガス機器製造事業から撤退し、ガスターの経営権はリンナイに移管されました。これにより、リンナイがガスターの筆頭株主となり、リンナイグループの一員として、新たなスタートを切ることになりました。

事業内容の変遷

ガスターは、かつては自社ブランドで全国に営業所を持ち、幅広いガス機器を販売していました。しかし、INAXとの提携後は名古屋地区から撤退し、リンナイとの提携後は東京ガス向け営業以外の全国から撤退し、自社ブランドでの営業は行わなくなりました。製品は現在、主に東京ガスのブランドで全国販売されています。

空調事業についても、かつては全国で展開していましたが、2004年度に首都圏を除いて撤退し、2016年には東京ガスの子会社である株式会社キャプティに移管されました。

主な製品

ガスターの主な製品は以下の通りです。

ガスふろ釜（バランス釜など）
ガス給湯器
ガスふろ給湯器（INAXとの提携時には「殿様」と表記された適温を保つスイッチがあった）
ガス給湯暖房機 (TES)

関連企業

ガスターの事業には、以下の企業が深く関わっています。

東京ガス
リンナイ

まとめ

株式会社ガスターは、長年にわたり日本のガス機器業界を支えてきたメーカーです。その歴史の中で、技術革新を重ね、多くの人々の生活を豊かにしてきました。現在はリンナイグループの一員として、新たな発展を目指しています。今後も、環境に優しく、快適な生活を支える製品を提供し続けることが期待されます。

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