ガルフストリーム III

ガルフストリーム IIIについて

ガルフストリーム III（Gulfstream III）は、名高いガルフストリーム・エアロスペースによって設計・製造されたビジネスジェット機であり、前作であるガルフストリーム IIからの大幅なアップグレードによってその性能を飛躍的に向上させました。この機体の開発により、ビジネス航空の新たなスタンダードが確立されたと言えるでしょう。

機体設計と改良点

ガルフストリーム IIIの特筆すべき改良点は、燃料タンクの配置の見直し、主翼端の延長、そしてウィングレットの装備です。主翼端は1.8メートル延長され、これにより空力性能が向上しています。胴体も0.6メートル延長され、キャビンは広々とした設計となっています。これにより、乗客の快適性が増しました。

また、機体の基本構造はガルフストリーム IIと変わらず、T字尾翼と後退翼を装備しています。エンジンは胴体後部に2基のロールス・ロイススペイターボファンエンジンを搭載しており、高い推進力を実現しています。

ミリタリー用途

ガルフストリーム IIIはアメリカの陸・海・空軍及び沿岸警備隊によっても運用されており、C-20という名称でVIP輸送機として用いられています。特にC-20Eは、米陸軍が固定翼ジェット機として初めて正式に運用したモデルでもあり、その意義も大きいと言えるでしょう。

性能と諸元

このビジネスジェットは、多様な性能を持っています。以下に主な諸元を示します。

• - 乗員数: 2～3名
• - 定員: 19名（標準）
• - ペイロード: 907 kg（2,000 lb）
• - 全長: 25.32 m（83 ft 1 in）
• - 全高: 7.43 m（24 ft 4.5 in）
• - 翼幅: 23.72 m（77 ft 10 in）
• - 翼面積: 86.83 m²（934.6 sq ft）
• - 空虚重量: 14,651 kg（32,300 lb）
• - 運用時重量: 17,236 kg（38,000 lb）
• - 最大離陸重量: 30,935 kg（68,200 lb）

エンジン性能

2基のR&RスペイMk.511-8ターボファンエンジンを装備し、各エンジンは50.7 kN（11,400 lbf）の推力を発揮します。

飛行性能

• - 巡航速度: 最大でマッハ0.85、長距離での巡航速度はマッハ0.77です。
• - 失速速度: 195 km/h（105ノット）
• - 航続距離: 6,760 km（3,650 nmi）
• - 実用上昇限度: 13,720 m（45,000 ft）
• - 離陸滑走距離: 1,738 m（5,700 ft）
• - 着陸滑走距離: 1,040 m（3,400 ft）

機体には、航空無線機や気象レーダーなどのアビオニクスも装備されており、先進的な運航を支えています。

採用国

ガルフストリーム IIIは多くの国に採用されています。例えば、コートジボワール、カメルーン、デンマーク、アルジェリア、ガボン、ガーナ、インド、アイルランド、イタリア、モロッコ、メキシコ、オマーン、サウジアラビア、トーゴ、アメリカ合衆国、ウガンダ、ベネズエラ、ジンバブエなど、さまざまな国がこの機体を使用しています。

結論

ガルフストリーム IIIは、その優れた性能と快適なキャビン、そして多用途性において、ビジネス航空機の先駆者としての地位を確立しています。これにより、各国の政府や軍隊においても重宝され、幅広いニーズに応える機体として名を馳せています。

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