ガンボウ

ガンボウ：最強馬ケルソを破った伝説の競走馬

ガンボウ (Gun Bow, 1960年 - 1979年) は、アメリカ合衆国のサラブレッド競走馬にして種牡馬です。1960年代、数々の名勝負を繰り広げ、その名を伝説として刻み込んだ名馬として知られています。特に、当時の最強馬と謳われたケルソとの激闘は、競馬史に燦然と輝くドラマとして語り継がれています。1999年にはアメリカ競馬殿堂入りを果たし、その偉業は後世にまで称えられています。

華麗なる競走生活の始まり

化粧品業界の巨匠、エリザベス・アーデンが所有するメインチャンス牧場で生産されたガンボウは、2歳時は跛行のため競走に出走できませんでした。その後、売却され、ハリー・アルバートとジョン・スタンリー夫人の名義で競走馬としてのキャリアをスタートさせます。エディ・ネロイを調教師に迎え、ガンボウの才能が開花していくのです。

3歳シーズンは18戦6勝。いくつかのステークス競走を制覇し、才能の片鱗を見せつけます。そして迎えた4歳シーズン、ガンボウは東海岸を転戦し、16戦中8勝という輝かしい成績を残します。このシーズンで、ガンボウは当時の最強馬ケルソとの対戦を果たします。

ケルソとの激闘

最初の対戦となったモンマスハンデキャップでは、ガンボウは2着、ケルソは4着という結果に終わりました。しかし、続くブルックリンハンデキャップでガンボウは2着馬に12馬身差をつける圧勝劇を演じ、ケルソを破ると同時に、アケダクト競馬場10ハロンのトラックレコードである1分59秒60を樹立します。

その後もケルソとの対決は続きます。アケダクトハンデキャップでは3/4馬身差でケルソに敗れましたが、ウッドワードステークスではハナ差でリベンジを果たしました。そして、ワシントンDCインターナショナルでは、ケルソが芝12ハロンのレコードを樹立する中、ガンボウは4馬身半差の2着という結果に終わりました。しかし、この4歳シーズンだけで、ワシントンハンデキャップ、ガルフストリームパークハンデキャップ、チャールズ・H・ストラブステークスなど数々の重賞レースを制し、580,100ドルもの賞金を獲得しました。

西海岸での活躍と引退

5歳シーズンは西海岸からスタート。サンタアニタパーク競馬場のサンアントニオステークス、そしてフロリダのドンハンデキャップと立て続けに勝利を収めます。さらにメトロポリタンハンデキャップも制覇し、その後引退しました。

種牡馬として、そして殿堂入り

種牡馬となったガンボウは、日本では1974年に供用開始されますが、大きな成功は収められず、1979年に19歳で日本で亡くなりました。しかし、その競走馬としての功績は高く評価され、1968年生の産駒ピストルパッカーはフランスでディアヌ賞（フランスオークス）を制覇するなど活躍しました。そして1999年、アメリカ競馬殿堂入りを果たし、その偉大な功績は永遠に語り継がれることとなりました。ガンボウの生涯は、競走馬としての輝かしい活躍と、種牡馬としての苦悩、そして、アメリカ競馬史に刻まれた偉大な功績を象徴する物語です。

もう一度検索