キャセイドラゴン航空

キャセイドラゴン航空（Cathay Dragon）の歴史と概要

キャセイドラゴン航空（旧名：香港ドラゴン航空）は、香港を拠点としていた航空会社です。正式名称は「港龍航空公司(Hong Kong Dragon Airlines Limited)」。1985年5月に香港澳門国際投資によって設立され、同年7月にコタキナバルへの初便を運航しました。その後、プーケットへの定期便や中国国内へのチャーター便を開始し、アジア地域における路線網を拡大しました。本社は香港国際空港内に位置していました。

キャセイパシフィック航空との連携

1990年、キャセイパシフィック航空は、中信泰富有限公司、スワイヤー・グループと共に香港ドラゴン航空の株式の89%を取得し、密接な業務提携関係を築きました。1997年には、キャセイパシフィック航空に委託していた貨物部門を自社部門として設立。1999年には、マイレージプログラム「アジアマイル」に参加し、2001年にはJALマイレージバンクとの提携を開始しました。

2006年、キャセイパシフィック航空は中国国際航空との資本提携を機に、香港ドラゴン航空を100%子会社化。これにより、キャセイパシフィック航空が進出できなかった上海線などへの路線展開を可能にしました。2007年には、航空連合「ワンワールド」に加盟し、国際的なネットワークをさらに強化しました。

2016年1月、ブランド名を「キャセイドラゴン航空 (Cathay Dragon)」に変更し、親会社であるキャセイパシフィック航空とのブランド共通化を図りました。機体デザインも刷新され、親会社のデザインを一部踏襲したものとなりました。

運航停止

2020年10月21日、キャセイパシフィック航空グループは、キャセイドラゴン航空の即時運航停止とブランド廃止を発表しました。新型コロナウイルス感染症拡大による航空需要の激減が主な理由で、人員削減を含む経営改善策の一環でした。キャセイドラゴン航空の路線と機材は、キャセイパシフィック航空と傘下のLCCである香港エクスプレス航空に移管されました。

日本への就航

キャセイドラゴン航空は、日本への就航にも力を入れていました。1988年には鹿児島空港に就航しましたが、1994年に運休。名古屋空港には1985年から1987年頃に臨時チャーター便を頻繁に運航していました。中部国際空港開港後は、キャセイパシフィック航空による大型機乗り入れに注力し、2010年代には香港エクスプレス航空が名古屋に就航しました。

1992年には広島空港、1993年には仙台空港にも就航しましたが、2003年のSARS流行により両路線とも運休。2004年には、両路線を統合する形で成田線を開設しました。

2007年には、成田線をキャセイパシフィック航空に移管し、福岡線に直行便を就航。仙台線も再開しましたが、2008年には仙台線、2009年には福岡線を定期便休止。その後、2010年に福岡線を再開しました。

2010年10月には那覇空港に就航し、2015年には羽田線を開設し東京への再進出を果たしました。同年には広島線も再開しましたが、2016年に再度運休しました。羽田線は2017年に運休しましたが、2018年に再開。その後、2018年には徳島空港、2019年には新潟空港にも就航しましたが、2019年には再び羽田線を運休しました。

サービスと機材

キャセイドラゴン航空は、ファーストクラス、ビジネスクラス、エコノミークラスの3クラス制を提供していました。ファーストクラスはエアバス A330-300 のみで、その他の機材はビジネスクラスとエコノミークラスの2クラス制でした。スカイトラックス社の調査では、6年連続でベストエアラインチャイナを受賞するなど、機内サービスには定評がありました。

就航都市は、香港から中国本土を含むアジア各地の32箇所でした。

機体デザインは、白を基調に尾翼に赤い龍のロゴを配したものでしたが、2016年のブランド変更に伴い、親会社のキャセイパシフィック航空と共通のデザインを取り入れました。

退役した機材には、[エアバスA300]、ボーイング737-200、ボーイング747シリーズ、ロッキード L-1011 トライスターなどがありました。

特別塗装機として「THE SPIRIT OF HONG KONG 香港精神号」がありました。


キャセイドラゴン航空は、長年にわたりアジア地域を結ぶ重要な航空会社として活躍しました。その歴史は、キャセイパシフィック航空に引き継がれ、現在も空の旅を支えています。

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