キャント・スタンド・ルージング・ユー

「キャント・スタンド・ルージング・ユー」(Can't Stand Losing You)は、イギリスのロックバンド、ポリスが1978年に発表した楽曲です。この曲は、彼らのセカンドアルバム『アウトランドス・ダムール』に収録され、シングルとしてもリリースされました。

この曲は、失恋から立ち直れない主人公の絶望的な心情を描いており、そのテーマが自殺であることから、当時、物議を醸しました。オリジナルのシングルジャケットは、氷の上に立つメンバー（スチュワート・コープランド）が氷が溶けるのを待つというもので、自殺を連想させるとして、BBCによって放送禁止処分を受けました。一部地域では、別デザインのジャケットで発売されています。

ボーカルを務めるスティングは、2000年のインタビューで、この曲について「失恋の痛みを極限まで表現した」と語っています。

この曲の演奏中に生まれたジャムセッションから、インストゥルメンタル曲「白いレガッタ」が誕生しました。「白いレガッタ」は、1981年にグラミー賞の最優秀ロック・インストゥルメンタル演奏賞を受賞しています。

ポリスは、2007年7月7日にジャイアンツ・スタジアムで開催されたLive Earthで、この曲を演奏しました。ライブバージョンは、「ポリス・ライブ」のディスク1（1979年ボストン録音）とディスク2（1983年アトランタ録音）の両方に収録されています。

ミュージックビデオは2種類存在します。1つ目は、ステージ上でバンドが演奏している様子を捉えたもので、まるでサウンドチェックのようです。スティングが大きな眼鏡をかけているのが特徴的です。2つ目は、赤い背景の前でバンドが演奏しているもので、「ロクサーヌ」の赤い背景のミュージックビデオと同じ日に撮影されました。

シングル盤の収録曲は以下の通りです。

A面:キャント・スタンド・ルージング・ユー - 2:58
B面:デッド・エンド・ジョブ - 3:35

この楽曲のレコーディングにおけるメンバーのクレジットは以下の通りです。

スティング - ベースギター、フレットレスベース、アップライトベース、リードボーカル、バッキングボーカル
アンディ・サマーズ - リードギター、バッキングボーカル
* スチュワート・コープランド - ドラムス、パーカッション、バッキングボーカル

この曲の背景や詳細については、クリス・ウェルチ著『ザ・ポリス/スティング全曲解説』(丸山京子訳、シンコーミュージック、1996年)の39ページに詳しい解説が掲載されています。

「キャント・スタンド・ルージング・ユー」は、ポリスの代表曲の一つとして、現在も多くのファンに愛されています。その歌詞の持つ強いメッセージ性と、バンドの演奏力の高さが融合し、時代を超えて聴き継がれる名曲となっています。

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