キリシマミドリシジミ

キリシマミドリシジミ

キリシマミドリシジミ（学名：Thermozephyrus ataxus または Chrysozephyrus ataxus）は、シジミチョウ科ミドリシジミ亜科に分類されるチョウの一種です。このチョウは、その美しい翅の色と、雌雄で異なる模様を持つことで知られています。日本では限られた地域にのみ生息し、その生態は多くの研究者や愛好家の関心を集めています。

概要

キリシマミドリシジミは、樹木の高い場所を好む「樹頂性」のチョウで、成虫が見られるのは7月から8月にかけての短い期間に限られます。1921年7月に鹿児島県の霧島山で初めて発見されたことから、この和名が付けられました。

ミドリシジミの仲間は、一般的に雄の翅の表面に緑色の光沢を持ちますが、キリシマミドリシジミは、翅の裏面にも雌雄差が見られるのが特徴です。雄の翅の裏面は灰白色で、雌の翅の裏面は褐色で中央に白い帯があります。また、雌雄ともに後翅の端に朱色の斑紋があります。

Thermozephyrus属のミドリシジミは、日本ではキリシマミドリシジミのみが確認されています（ただし、ThermozephyrusはChrysozephyrusのシノニムとされることもあります）。食樹は地域によって異なり、主にアカガシやウラジロガシなどを食べます。卵は、木の休眠芽の基部に産み付けられ、そのまま越冬し、翌年の春に孵化します。

分布

キリシマミドリシジミは、本州の西丹沢から屋久島にかけての山地に生息しており、対馬にも分布しています。これらの地域はすべて山地であり、東北地方以北では確認されていません。海外では、中国大陸西部、朝鮮半島、ヒマラヤ、ミャンマーにも分布が確認されています。

近縁種

台湾に生息するホウライミドリシジミ（Chrysozephyrus lingi）は、キリシマミドリシジミの亜種として分類されることがあります。また、2014年にはベトナムでタイリクホウライミドリシジミ（Thermozephyrus kubotae）が発見されたことを機に、日本に生息するキリシマミドリシジミを日本固有の別種T. kirishimaensisとし、大陸に生息する個体群をタイリクキリシマミドリシジミとする見解も出ています。

出典

（この項目は、元データに具体的な出典が記載されていないため、省略します。）

関連項目

シジミチョウ科
ミドリシジミ
* ゼフィルス

キリシマミドリシジミは、その美しい姿と独特な生態から、多くの人々に愛されるチョウです。生息地の保全と、その生態に関するさらなる研究が望まれています。

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