クイズとっても偉人伝

クイズとっても偉人伝：歴史クイズ番組の先駆けと短命の終焉

『クイズとっても偉人伝』は、1984年4月18日から5月23日までテレビ東京で全6回にわたり放送された歴史をテーマとしたクイズ番組です。この番組は、歴史上の偉人たちの生涯をタレントが演じるドキュメンタリードラマで再現し、その内容に関連したクイズを出題するという、当時としては斬新な形式を採用していました。

歴史クイズ番組黎明期における挑戦

放送当時、歴史をテーマにしたクイズ番組は、NHKの『クイズ面白ゼミナール』内の「歴史クイズ」コーナー程度しか存在せず、民放で歴史に特化したクイズ番組は非常に珍しい存在でした。そのような状況下で、『クイズとっても偉人伝』は、レギュラー番組として初の試みとなる歴史クイズ番組として誕生しました。

苦戦を強いられた視聴率競争

しかし、番組はNHKの『連想ゲーム』、フジテレビの『うる星やつら』、テレビ朝日の『水曜スペシャル』といった人気番組に加え、日本テレビの『歌のワイド90分!』、TBSの連続ドラマ『ぼくたちの疾走』、そして民放各局が放送する巨人戦ナイターといった強力な裏番組に阻まれ、視聴率で苦戦を強いられました。その結果、わずか6回で打ち切りとなり、テレビ東京で制作されたクイズ番組としては最も短命に終わるという結果となりました。

短命に終わった理由

番組が短命に終わった理由の一つとして、放送期間が短かったことが挙げられます。そのため、前年のNHK大河ドラマの主人公であった徳川家康や豊臣秀吉といった人気のある偉人や、明治時代以降の比較的新しい時代の人物を取り上げることができませんでした。番組の構成やクイズの内容も、十分に練り上げられる前に打ち切りとなってしまった可能性があります。

後世への影響

『クイズとっても偉人伝』自体は短命に終わりましたが、その試みは後の民放各局における歴史クイズ番組の制作に大きな影響を与えました。1986年には、現在も放送中のTBSの長寿番組『日立 世界・ふしぎ発見!』がスタートし、1988年にはフジテレビの『クイズなっとく歴史館』、TBSの『クイズ日本昔がおもしろい』、1993年にはテレビ朝日の『世界とんでも!?ヒストリー』がそれぞれ放送開始されました。

特に、『クイズなっとく歴史館』と『クイズ日本昔がおもしろい』は、『クイズ面白ゼミナール』の終了直後に放送を開始し、放送時間帯もほぼ同じであったことから、「ポスト面白ゼミナール」、「ポスト歴史クイズ」としての役割を担うこととなりました。

出演者

番組の司会は、高田純次と松金よね子が務めました。解答者としては、小野ヤスシ、山田邦子、山本みどり、西川のりおといった個性豊かなタレントが出演し、毎回1人のゲスト解答者が加わっていました。また、VTRには佐藤B作やレオナルド熊などが出演し、番組を盛り上げました。

取り上げられた偉人たち

番組では、坂本龍馬、宮本武蔵、源義経、紫式部、織田信長、平賀源内といった、日本の歴史を彩る様々な偉人たちが取り上げられました。

まとめ

『クイズとっても偉人伝』は、短命に終わったものの、民放における歴史クイズ番組の可能性を示唆した先駆的な番組でした。その斬新な試みは、後の歴史クイズ番組の隆盛に繋がったと言えるでしょう。

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