クセノキプリス亜科

クセノキプリス亜科（Xenocypridinae）またはオキシガスター亜科（Oxygastrinae）は、コイ科に属する亜科の一つです。この亜科は、従来の分類ではカワヒラ亜科（クルター亜科）Cultrinae、レンギョ亜科Hypophthalmichthyinae、ソウギョ亜科Ctenopharyngodoninae、そしてダニオ亜科の一部を構成していた種など、多岐にわたるグループをまとめています。

2013年に発表された核DNAとミトコンドリアDNAの分子系統推定に基づいた解析によって、Oxygaster属を含む大規模な単系統群が存在することが明らかになりました。この結果を受け、1860年に記載されたOxygastriを基準とし、この単系統群を亜科とする説が提唱されました。この説では、亜科の学名はXenocypridinae Günther, 1868よりもOxygastrinae Bleeker, 1860が優先されるとされました。しかし、後者の有効性には疑問が呈されており、Xenocypridinaeを採用する分類も存在します。

一方で、コイ科をさらに細分化し、この亜科をXenocyprididae科として独立させ、XenocypridinaeとOpsariichthyinaeの2亜科を置く分類体系も提案されています。分類はVan der Laan (2017) によるものを基本とし、属の和名については個別に出典を示します。ただし、本亜科を独立科とするTan & Armbruster (2018) の分類では、Opsariichthyini族に相当する属（Xenocyprioides属を除く）がOpsariichthyinae亜科に分割されています。また、Van der Laan (2024) ではOpsariichthyini族（Xenocyprioides属はHypophthalmichthyini族に移動）とOxygastrini族がOpsariichthyinae亜科に分類されています。

Opsariichthyini族
タイワンアカハラ属 Candidia - タイワンアカハラ
カワムツ属 Nipponocypris - カワムツ、ヌマムツ
ハス属 Opsariichthys - ハス、オイカワ
カスリバヤ属 Parazacco - カスリバヤ（ニジカワムツ）
Xenocyprioides

Oxygastrini族
ヒナモロコ属 Aphyocypris - ヒナモロコ
Araiocypris
Gymnodanio
カワバタモロコ属 Hemigrammocypris - カワバタモロコ
Macrochirichthys - カショーロバルブ
ヒメワタカ属 Metzia - ヒメワタカ
Oxygaster
Parachela - グラスバルブ
Paralaubuca - ナイフバルブ
Rasborichthys

Hypophthalmichthyini族
Atrilinea
ソウギョ属 Ctenopharyngodon - ソウギョ
Elopichthys - ガンユイ
ハクレン属 Hypophthalmichthys - ハクレン、コクレン
Luciobrama - ズナガウオ
アオウオ属 Mylopharyngodon - アオウオ
Ochetobius - クダウオ

Squaliobarbini族
カワアカメ属 Squaliobarbus - カワアカメ

Xenocypridini族
ゴンヒー属 Distoechodon - ゴンヒー
Plagiognathops - フトセトゲ
Pseudobrama
ヨコグチ属 Xenocypris - ヨコグチ
Anabarilius
カワヒラ属 Chanodichthys - カワヒラ
ツマリカワヒラ属 Culter - ツマリカワヒラ
ワタカ属 Ischikauia - ワタカ
Longiculter
Megalobrama - ダントウボウ
ヒラウオ属 Parabramis - ヒラウオ
Pogobrama
メダマ属 Sinibrama - メダマ
Hainania
カワイワシ属 Hemiculter - カワイワシ
Pseudohemiculter
Pseudolaubuca
トゲカワイワシ属 Toxabramis* - トゲカワイワシ

この亜科に含まれる種は、分類の変更が頻繁に行われており、今後の研究によってさらに変動する可能性があります。

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