カワイワシ

カワイワシ（川鰯）

カワイワシ（学名: Hemiculter leucisculus）は、コイ目コイ科クセノキプリス亜科に分類される淡水魚です。和名はその外見がマイワシに似ていることに由来します。中国語では「䱗」、韓国語では「살치」と表記されます。

分布

自然分布域は、中国、朝鮮半島、台湾、ベトナム、および極東ロシアに及びます。移入された地域としては、日本、イラン、イラク、カザフスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタン、アフガニスタン、南ロシア、アゼルバイジャン、アルメニアなどが挙げられます。日本においては、2000年代以降に岡山県百間川で確認されており、鑑賞目的で輸入された個体が逃げ出した可能性が指摘されています。

形態

カワイワシは細長い体型をしており、体側は平らで、側面から腹部にかけて銀白色をしています。背部は緑褐色を帯びています。鱗は薄くて大きく、剥がれやすいのが特徴です。口はやや尖っており、斜め上向きに開いています。胸鰭は大きく発達していますが、それ以外の鰭は比較的小さいです。繁殖期のオスには、頭部に追星が現れます。

生態

止水域、流水域を問わず、低地の様々な水域に生息します。動きは素早く、水面付近を群れで泳ぎ回る姿がよく見られます。食性は雑食で、藻類を主食とし、植物の欠片、甲殻類、昆虫なども食べます。環境適応能力と繁殖力が高く、比較的汚染された水域でも生存することができます。

繁殖期は5月から6月にかけてで、流れの穏やかな浅瀬に移動して産卵を行います。生後1年半（中国東北部では2年半）で成熟し、メスの抱卵数は8,000から18,000粒に達します。卵は粘着性があり、水中に放出された後、石や水草に付着します。カワイワシは、その繁殖能力と環境への適応能力の高さから、各地でその生息域を広げています。

もう一度検索