クリーブランド (軽巡洋艦)

クリーブランド (USS Cleveland, CL-55)

クリーブランドは、アメリカ海軍のクリーブランド級軽巡洋艦の1番艦として建造されました。艦名はオハイオ州クリーブランドに由来し、この名を持つ艦としては2隻目にあたります。本艦は第二次世界大戦において、数々の重要な海戦に参加し、その卓越した戦闘能力を示しました。

艦歴

1940年7月1日にニュージャージー州カムデンのニューヨーク造船所で起工し、1941年11月1日に進水、1942年6月15日に就役しました。第二次世界大戦に投入された最初の新型艦艇として、その戦歴は北アフリカ戦線から始まりました。

北アフリカ戦線

1942年10月、クリーブランドは北アフリカ侵攻作戦に参加するため、バミューダ諸島沖で任務部隊に合流しました。11月には、モロッコのフェドハラへの上陸を支援するための艦砲射撃を行い、その後も偵察巡航を実施しました。

太平洋戦線

1942年12月に太平洋へ移動し、ソロモン諸島での戦闘に加わりました。1943年1月には、レンネル島沖海戦で日本軍の激しい攻撃に対して対空砲火を行い、船団護衛任務を果たしました。

メリルの襲撃隊

アーロン・S・メリル少将率いる第68任務部隊、通称「メリルの襲撃隊」に加わり、ニュージョージア海峡での作戦に参加しました。3月には、ビラ・スタンモーア夜戦で日本の駆逐艦「峯雲」と「村雨」を撃沈する戦果を挙げ、コロンバンガラ島周辺での8回の戦闘にも参加しました。

ブーゲンビル島沖海戦

1943年11月、ブーゲンビル島沖海戦では、レーダーを活用して日本海軍の巡洋艦「妙高」「羽黒」「川内」「阿賀野」を砲撃し、「川内」撃沈に貢献しました。その功績により、海軍殊勲部隊章を受章しました。

マリアナ諸島侵攻作戦

1944年6月から8月にかけて、マリアナ諸島侵攻作戦に参加しました。サイパン島砲撃では、特に多くの砲弾を発射し、マリアナ沖海戦では第58任務部隊に所属し、日本軍機の撃墜を支援しました。また、テニアン島侵攻中には、駆逐艦「ノーマン・スコット」を砲撃から守るという勇敢な行動も見せました。

その他の作戦

1945年には、フィリピンでの作戦に参加し、コレヒドール島、パラワン島、ヴィサヤ諸島、ミンダナオ島への上陸作戦を支援しました。ボルネオのブルネイ湾上陸作戦にも参加し、ダグラス・マッカーサー元帥を乗艦させ、バリクパパン攻撃を視察させました。

戦後

終戦後、クリーブランドは沖縄を拠点に東シナ海と黄海における掃海作戦に参加し、その後、連合軍捕虜輸送支援任務に従事しました。アメリカ本国に帰還後はオーバーホールを受け、海軍予備役兵の訓練巡航にも参加しました。

1947年2月7日に退役し、1959年3月1日に除籍され、その後売却されました。クリーブランドは、第二次世界大戦での戦功により、海軍殊勲部隊章に加え、13個の従軍星章を受章しました。

歴代艦長

エドムンド・W・バーロウ大佐 (Captain Edmund W. Burrough, 1942年6月15日 - 1943年6月)
アンドリュー・G・シェパード大佐 (Captain Andrew G. Shepard, 1943年6月 - 1944年8月)
ハーバート・G・ホップウッド大佐 (Captain Herbert G. Hopwood, 1944年8月 - 1945年7月)
チャールズ・J・マグワイア大佐 (Captain Charles J. Maguire, 1945年7月 - ?)

脚注

参考文献

木俣滋郎『日本空母戦史』図書出版社、1977年
木俣滋郎『日本水雷戦史』図書出版社、1986年
ジェームズ・J・フェーイー/三方洋子（訳）『太平洋戦争アメリカ水兵日記』NTT出版、1994年、ISBN 4-87188-337-X
秦郁彦「レンネル島沖海戦」『太平洋戦争航空史話 (上)』中公文庫、1995年、ISBN 4-12-202370-X

関連項目

アメリカ海軍艦艇一覧
アメリカ海軍巡洋艦一覧

外部リンク

USS Cleveland CL-55 Reunion Association
USS Cleveland at The Naval Historical Center

この記事はアメリカ合衆国政府の著作物であるDictionary of American Naval Fighting Shipsに由来する文章を含んでいます。

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