クロロプレンゴム

クロロプレンゴムについて

クロロプレンゴム、またの名をポリクロロプレン（英語名：polychloroprene）は、クロロプレンを重合させて製造される合成ゴムの一種です。略称はCRで、化学構造には塩素を含むため、強みと弱みが共存する素材といえるでしょう。

性質

この材料は、2-クロロ-1,3-ブタジエンの重合体です。特徴的なのは、ゴムの分子内部に炭素間の二重結合を有し、一般的なゴムとは異なり、主にtrans体構造を形成している点です。これにより、クロロプレンゴムは様々な特性を持ち合わせています。特に天然ゴムと比較すると、耐候性、耐熱性、耐油性、耐薬品性などの面で優れた性能を発揮します。

加工のしやすさも利点の一つです。しかし、塩素由来の化合物であるため、不適切な燃焼を行うとダイオキシン類を発生させる危険があります。これにより、廃棄を行う際には適切な処理が不可欠となります。

歴史

クロロプレンゴムは1931年、アメリカのデュポン社でウォーレス・カロザースによって開発され、1932年にはネオプレンの名で世界初の製品が市場に登場しました。日本では、特許の関係で生産が遅れ、1938年に東京芝浦電気が月産500kgの試験設備の稼働を始めましたが、1945年の空襲でこれが壊滅します。同じ頃、日本タイヤや日本カーバイド工業も製造に乗り出し、コンクリートや建材として使われるようになりました。

工業的製法

クロロプレンゴムの工業製法には主に2つの方法があります。1つ目はモノマー製造法（アセチレン法）で、アセチレンを二量化し、その後塩酸を加えるプロセスです。2つ目はブタジエン法で、ブタジエンを塩素化し、異性化して得られる3,4-ジクロルブテン-1をアルカリ脱塩酸する手法です。また、この合成ゴムは石油製品の一つとしても製造可能で、コークスを経由して炭化カルシウムから製造する方法もあります。

クロロプレンゴムはその特性から、工業用ホース、靴底、梱包材料、窓枠の気密部品、ウェットスーツ、Oリングなど、多岐にわたる用途で広く利用されています。

脚注

注釈

クロロプレンゴムの特性とその利用は、工業発展において重要な役割を果たしていることを示しています。

出典

この記事の情報は、主に文献および業界の専門資料に基づいています。

関連項目

• - 接着剤
• - ラテックス
• - ウォーレス・カロザース

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