クワンタイ・シッモーセン

クワンタイ・シッモーセン（Kwanthai Sithmorseng）は、1984年8月18日生まれのタイのプロボクサーです。彼はかつてWBA世界ミニマム級王者として世界の頂点に立ち、またパンアジアボクシング協会（PABA）のミニマム級スーパー王者としても活躍しました。

キャリア初期とPABA王座

クワンタイは2005年6月28日にプロボクサーとしての第一歩を踏み出しました。プロ転向からわずか18戦目となる2007年11月1日、彼は空位となっていたPABAミニマム級王座の決定戦に出場します。タイ国内で行われたこの試合で、対戦相手を2ラウンドKOで下し、自身初となる王座を獲得しました。

彼はこのPABA王座を実に8度にわたって防衛するという安定した強さを見せ、その実績が評価され2010年2月1日にはPABAミニマム級スーパー王座に認定されるに至りました。

WBA世界王座獲得と陥落

PABA王者として確固たる地位を築いたクワンタイは、世界タイトル挑戦の機会を得ます。2010年11月5日、バンコクで開催されたWBA世界ミニマム級王座決定戦に臨みました。これは、前王者のローマン・ゴンサレスが階級を上げたことに伴い空位となった王座を巡る戦いでした。対戦相手はABCO王者のピグミー・ゴーキャットジム。両者一歩も引かない激しい打撃戦となり、試合は最終ラウンドまでもつれ込みました。結果は12ラウンド判定2-1という際どいスプリットデシジョンでしたが、クワンタイはこれをものにし、見事にWBA世界ミニマム級王座の栄冠を掴み取りました。

しかし、待望の世界王者となったクワンタイに試練が訪れます。迎えた2011年4月19日、初めての防衛戦の相手は元IBF世界ミニマム級王者であるムハンマド・ラクマンでした。この試合でクワンタイは苦戦を強いられ、9ラウンド1分29秒にKO負けを喫してしまいます。これにより、彼はわずか一度の防衛も成功させることなく世界王座から陥落することとなりました。

再起とPABA王座返り咲き、そして日本での挑戦

世界王座を失ったクワンタイでしたが、すぐに再起を図ります。2011年8月9日のノンタイトル戦に勝利し、キャリアを立て直しました。そして2012年4月2日、再びPABAミニマム級王座決定戦に出場。この機会を逃さず、5ラウンドTKO勝利でPABA王座への返り咲きを果たしました。その後、PABA王座を2度防衛しましたが、2013年7月にこの王座を返上しています。

PABA王座返上後、クワンタイは再び世界を見据えました。2013年9月11日、日本の大阪府立体育会館にて、WBA世界ライトフライ級王者の井岡一翔に挑戦します。ミニマム級より一つ上の階級での世界王座獲得を目指したこの試合でしたが、7ラウンド2分17秒にKO負けを喫し、2階級制覇はなりませんでした。

その後もリングに上がり続け、2014年1月17日には再起戦に勝利しましたが、同年8月8日には国内での試合で判定負けを喫しています。2014年12月23日には判定勝利を収めました。

2015年5月6日には、再び日本で世界タイトルに挑戦する機会を得ます。大田区総合体育館で、WBA世界ライトフライ級王者の田口良一と対戦しました。しかし、この試合も8ラウンド36秒にTKO負けとなり、またしても2階級制覇は叶いませんでした。

キャリア晩年近くでは、2017年7月11日に日本で予定されていたWBOアジア太平洋王座への挑戦が、対戦相手の状況変化により中止となる出来事もありました。

クワンタイ・シッモーセンは、世界王座獲得という輝かしい実績を残しつつも、防衛の難しさや他階級での挑戦の壁に直面した、タイボクシング界の重要なボクサーの一人です。彼の正確な引退時期や最終的な戦績については、最新の情報をご確認ください。

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