クールベ級装甲艦

クールベ級装甲艦 (Classe Courbet)

クールベ級装甲艦は、フランス海軍が建造した装甲艦の艦級です。この艦級は、もともと「フードロワイアン級」と呼ばれる予定でしたが、1885年6月に仏清戦争の功労者、アメデ・クールベ提督が亡くなったことを受けて、彼の名を冠することになりました。この艦級は、後に弩級戦艦としても名前が使われるなど、フランス海軍の歴史において重要な位置を占めています。

概要

クールベ級は、前級である「ルドゥタブル」の改良版です。初めは排水量9,500トンでの設計が予定されていましたが、実際には航海性能を重視した結果、排水量は10,450トンに増加しました。船体には鉄だけではなく鋼材が使用され、排水量の増加を抑えるために水線面から上の構造は細くされ、甲板の面積も縮小されています。これにより、フランス装甲艦の特徴がさらに強化されています。

艦形と武装

デザインの面では、クールベ級の船体には前艦と同様に衝角が採用されており、3本のマストを備えていますが、煙突は小判型の2本の煙突が並ぶ形式です。これは機関区の長さをコンパクトにするための工夫であり、同時期のイギリスの装甲艦に見られる特徴でもあります。船体は上に行くほど細くなっていますが、舷側の砲郭は前艦と同様の位置にあり、全体的に砲郭が突出して見えます。

本艦は、これまでの艦よりも強力な武装を持ち、主砲には「1881年型 34cm（21口径）砲」を採用しています。これは、起工時には世界で最大サイズの後装填式艦砲であり、イギリスにおいても「インフレキシブル」という艦が対抗するために40.6cmの連装砲を搭載していましたが、こちらは旧式の前装式であったため、クールベ級の34cm砲に比べて性能的には劣っていました。

武装配置としては、艦の中央部に片舷2基ずつ合計4基の34cm砲を配置し、旧来の27cm砲も副砲として艦首や煙突のバーベット上、艦尾甲板に配置されています。さらに近接攻撃用として14cmの単装砲を6基持ち、前後方向に最大34cm砲2門、27cm砲3門、14cm砲2門を配置し、左右方向にも同様の配置が可能です。

機関

クールベ級装甲艦に搭載された主機関は中央部に配置され、石炭専焼の円筒缶が8基あり、水平型の2段膨張式レシプロ機関2基によって2軸推進されています。最大出力は前級の5,900馬力から8,100馬力に引き上げられ、これにより艦は15ノットの速力を簡単に維持しつつ、10ノットでの巡航時に2,800海里の航行が可能になりました。

同型艦

同じクールベ級には、クールベ自身やデヴァスタシオンを含めた数隻が存在します。

参考文献

• - 『世界の艦船増刊 フランス戦艦史』（海人社）

関連事項

• - フランス海軍艦艇一覧
• - 戦艦一覧

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