グッビオ

グッビオは、イタリア中部のウンブリア州ペルージャ県に位置する、人口約3万人のコムーネ（基礎自治体）です。ペルージャの北東、インジノ山の斜面に広がるこの街は、その豊かな歴史と文化、そして自然景観で知られています。

歴史

グッビオは古代ウンブリアの中心都市として栄え、ラテン語ではイグウィウム、中世ラテン語ではエウグビウムと呼ばれていました。中世には重要な都市としての地位を確立し、1387年にはウルビーノ公国のモンテフェルトロ家の支配下に入りました。この時代、グッビオはマヨリカ焼きの主要な産地として名を馳せ、その陶器はヨーロッパ各地で珍重されました。1624年からは教皇領となり、その影響を色濃く残す街並みが今も残っています。

地理と地質

グッビオの位置は、その地質学的にも重要な意味を持っています。1977年、この地域近傍で発見された「魚粘土」と呼ばれる地層からは、中生代末の大量絶滅の原因となった隕石落下説を裏付ける高濃度のイリジウムを含む粘土層（K-T境界）が発見されました。この発見は、ウォルター・アルヴァレスによってなされ、地球史における重要な出来事を解明するきっかけとなりました。

文化と観光

グッビオには、数多くの歴史的な石造建築物が残っており、その中でも特に有名なのが、1332年から1346年にかけて建てられたゴシック建築のコンソリ宮です。この壮大な建物は、グッビオの歴史と文化を象徴する存在です。

毎年5月15日には、町の守護聖人である聖ウバルドの祭礼「ろうそく祭り」が開催されます。この祭りは、グッビオの伝統を今に伝える重要なイベントで、多くの観光客が訪れます。

また、冬にはインジノ山の山腹に、電飾で巨大なクリスマスツリーが描かれます。このクリスマスツリーは、高さ約650メートル、幅約350メートルで、2021年現在、ギネスブックに世界最大のクリスマスツリーとして登録されています。

地理と行政

グッビオは、以下のコムーネと隣接しています。カーリ、カンティアーノ、コスタッチャーロ、フォッサート・ディ・ヴィーコ、グアルド・タディーノ、ペルージャ、ピエトラルンガ、スケッジャ・エ・パシェルーポ、シジッロ、ウンベルティデ、ヴァルファッブリカです。

グッビオには、ベルデッロ、ベッルジェッロ、ベルヴェデーレなど、多数の分離集落（フラツィオーネ）が存在します。これらの集落は、グッビオの多様な地域文化を形成する上で重要な役割を果たしています。

気候と地震

グッビオの気候は、イタリアの気候分類ではzona Eに属し、2357GGの度日を示しています。また、イタリアの地震リスク階級では、zona 2（中程度の地震リスク）に分類されています。

スポーツと姉妹都市

サッカークラブのASグッビオ1910は、グッビオを本拠地としており、セリエCに所属しています。

グッビオは、フランスのタン、サロン＝ド＝プロヴァンス、アメリカ合衆国のジェサップ、ドイツのヴェルトハイム、イギリスのハンティンドン、ゴッドマンチェスター、イタリアのリヴィナッロンゴ・デル・コル・ディ・ラーナ、サッサリと姉妹都市提携を結んでいます。

その他

[小惑星] Gubbioは、グッビオに因んで命名されました。

また、アッシジのフランチェスコが、グッビオに住んでいた際に人食いオオカミを改心させたという伝説も残っています。この物語は、グッビオの歴史と文化に深く根付いています。

グッビオは、その歴史、文化、自然、そして伝説が織りなす魅力的な都市です。

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