グランツパス (オレゴン州)

グランツパス（Grants Pass）は、アメリカ合衆国オレゴン州ジョセフィーヌ郡の郡庁所在地であり、ローグ川が流れる美しいローグバレーに位置しています。人口は約3万9千人（2020年）で、州間高速道路5号線が通り、メドフォードの北西に位置しています。

歴史

グランツパスの歴史は、19世紀初頭にハドソン湾会社の罠猟師たちがこの地を訪れたことから始まります。その後、ウィラメットバレーへの移住者がこの地を通過するようになりました。1852年、クレセントシティ沖で難破した船乗りがジャクソンビルで金脈を発見し、さらにグランツパスの南25マイルの場所でより豊かな金鉱が発見されたことから、この地域は急速に発展しました。1865年には郵便局が開設され、ジョセフィーヌ郡の郡庁所在地に選定されました。この際、南北戦争の英雄であるグラント将軍にちなんで「グランツ・パス」と命名されました。1883年にはオレゴン・カリフォルニア鉄道が開通し、1887年には最初の教会であるニューマン・メソジスト教会が完成しました。

地理

グランツパスはローグバレー沿いに位置し、ローグ川が市内を流れています。アメリカ国道199号線が市内を通り、州間高速道路5号線と接続しています。市域面積は28.57平方キロメートルで、その大部分が陸地です。気候は地中海性気候に属し、夏は暑く乾燥しますが夜間は冷え込み、冬は比較的穏やかで降水量が多いのが特徴です。年間を通して晴れの日が多く、様々な植物が生息しています。

人口動静

2010年の国勢調査によると、グランツパスの人口は34,533人です。世帯数は14,313世帯、家族数は8,700家族です。人口密度は1,226.6人/平方キロメートルとなっています。人種構成は、白人が90.9％を占め、その他にアフリカン・アメリカン、ネイティブ・アメリカン、アジア人などが居住しています。世帯構成を見ると、18歳未満の子供がいる世帯が30.7％、結婚・同居している世帯が41.3％です。平均世帯人数は2.34人、平均家族人数は2.94人です。年齢構成では、18歳未満が24.3％、65歳以上が18.6％となっています。男女比は男性が47.3％、女性が52.7％です。また、2000年の国勢調査では、世帯収入の中央値が29,197ドル、家族収入の中央値が36,284ドルでした。

政治

市議会は8議席で構成され、4つの選挙区から選出された議員が4年任期で務めます。

経済

かつては製材業が主要産業でしたが、1970年代以降は衰退し、現在ではアウトドア関連やヘルスケア産業が成長しています。また、オレゴン州での大麻合法化に伴い、大麻関連産業も発展しています。

芸術文化

グランツパスでは、毎年5月にリバーサイドパークでボートニックというお祭りが開催され、スピードボートレースやカーニバルが楽しめます。ダウンタウンには、アール・デコ調の歴史あるローグシアターがあります。また、グランツパス郵便局には、1938年に描かれたニューディール時代のオレゴン州の様子を描いたテンペラ壁画が飾られています。ローグ川に架かるケーヴマン・ブリッジは、1933年に設置されたグランツパスのランドマークです。

メディアと教育

地元紙として、日刊紙「グランツパス・デイリークーリエ」が発行されています。教育機関としては、グランツパス高校、イリノイバレー高校、ノースバレー高校、ヒディンバレー高校などがあります。また、レッドウッドにメインキャンパスを置くローグコミュニティカレッジが、メドフォードとホワイトシティにもキャンパスを設置しています。

交通

グランツパスには、州間高速道路5号線、アメリカ国道199号線、オレゴン州道238号線が通っています。また、セントラルオレゴン・パシフィック鉄道が乗り入れています。空港としては、ローグバレー国際空港とグランツパス空港があります。

著名な住人

グランツパス出身の著名人には、俳優のデイヴィッド・アンダース、作家でアーティストのカール・バークス、俳優のタイ・バーレル、俳優のキット・カルキン、野球選手のブランドン・ドルーリー、俳優のケヴィン・ハーゲン、野球選手のケン・ウィリアムズなどがいます。

姉妹都市

グランツパスの姉妹都市は、ウプツォフスクです。

グランツパスは、その歴史、地理、経済、文化、そして多様な人々が織りなす魅力的な街です。

もう一度検索