グランヴィル・ルーソン＝ゴア (第2代グランヴィル伯爵)

第2代グランヴィル伯爵 グランヴィル・ジョージ・ルーソン＝ゴア

グランヴィル・ジョージ・ルーソン＝ゴア（1815年5月11日 - 1891年3月31日）は、イギリスの政治家、貴族であり、ヴィクトリア朝時代の自由党（ホイッグ党）政権で重要な閣僚職を歴任しました。特に、第一次および第二次ウィリアム・グラッドストン内閣では、長期間にわたり外務大臣を務め、その外交手腕を発揮しました。彼は、1833年に父がグランヴィル伯爵に叙爵されてから、1846年に自身が爵位を継承するまで、ルーソン卿の儀礼称号を使用していました。

生涯

生い立ちと教育

1815年、初代グランヴィル伯爵グランヴィル・ルーソン＝ゴアの長男として、ロンドンのメイフェアで生まれました。イートン・カレッジを経てオックスフォード大学クライスト・チャーチに進学し、学位を取得しました。父が在フランス大使であった関係で、1830年代にはパリに滞在しました。

政界での活躍

1837年、モーペス選挙区からホイッグ党の庶民院議員に選出され、政界入りを果たしました。その後、リッチフィールド選挙区からも選出され、議員として活動しました。第2次メルバーン子爵内閣では、外務政務次官を務めました。1846年に父の死去に伴いグランヴィル伯爵を継承し、貴族院議員に転じました。

閣僚としての活動

第1次ラッセル内閣では、主計長官・通商政務次官を経て、短期間外務大臣を務めました。アバディーン伯爵内閣では枢密院議長として入閣しましたが、ジョン・ラッセルの要求によりランカスター公領担当大臣に転任しました。

1855年、第1次パーマストン子爵内閣で再び枢密院議長に就任。ランズダウン侯爵の引退後、ホイッグ党貴族院院内総務を引き継ぎました。1859年には、自由党結成の動きの中で、ヴィクトリア女王から組閣の大命を受けましたが、ラッセルの反対により断念しました。その後、第2次パーマストン子爵内閣と第2次ラッセル伯爵内閣で枢密院議長を務めました。

第一次グラッドストン内閣

1868年、第1次グラッドストン内閣に植民地大臣として入閣。1870年には、クラレンドン伯爵の死去に伴い外務大臣に就任しました。普仏戦争においては中立政策を維持し、ベルギーの中立を尊重するよう関係国に求めました。ロシアがパリ条約の破棄を宣言した際には、会議外交による解決を目指しました。

第二次グラッドストン内閣

1880年、第2次グラッドストン内閣で再び外務大臣を務めました。エジプトでウラービー革命が発生すると、当初はトルコを通じての間接干渉を主張しましたが、最終的には軍事干渉を容認しました。ドイツとの関係では、フィジーやリューデリッツの領有権をめぐる問題で譲歩を余儀なくされました。スーダンでのマフディーの反乱では、ゴードン将軍救出のための援軍派遣をめぐり、閣内で意見が分かれる中、最終的に派兵を支持しました。

晩年

1886年の第3次グラッドストン内閣では植民地大臣を務め、アイルランド自治を支持しました。1891年3月31日にロンドンの自宅で死去、75歳でした。

家族

マリー・ルイーズと結婚後死別。その後キャスティラ・ロザリンドと再婚し、5人の子供をもうけました。

長女：ヴィクトリア・アルバータ・ルーソン＝ゴア
次女：ソフィア・キャスティラ・ルーソン＝ゴア
長男：グランヴィル・ジョージ・ルーソン＝ゴア（第3代グランヴィル伯爵）
三女：スーザン・キャサリン・ルーソン＝ゴア
次男：ウィリアム・スペンサー・ルーソン＝ゴア（第4代グランヴィル伯爵）

栄典

1846年：第2代グランヴィル伯爵
1857年：ガーター勲章
1846年：枢密顧問官
1853年：王立協会フェロー
1863年：オックスフォード大学名誉民事法学博士号
* 1864年：ケンブリッジ大学名誉民事法学博士号


グランヴィル伯爵は、ヴィクトリア朝時代のイギリス政治において、自由党の重鎮として活躍しました。特に、グラッドストン内閣での外務大臣としての業績は、彼の政治家としての評価を確立する上で重要な役割を果たしました。

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