グリーゼ876c

グリーゼ876c：赤色矮星を巡る巨大ガス惑星

グリーゼ876cは、赤色矮星グリーゼ876の周囲を約30.258日かけて公転する太陽系外惑星です。2000年に、この恒星系で2番目に発見された惑星として知られるようになりました。発見時、グリーゼ876には既にグリーゼ876bという別の惑星が存在していましたが、その後の観測によって、この系にはさらに多くの惑星が存在することが明らかになりました。

発見の経緯

グリーゼ876cの発見は、恒星の視線速度を詳細に分析した結果によるものです。当初、グリーゼ876bという別の惑星が確認されていましたが、その観測データをさらに詳しく解析することで、この系には別の惑星が存在する可能性が浮上しました。その結果、グリーゼ876cが発見されたのです。グリーゼ876cの軌道周期は、外側の惑星の約半分であることが判明し、当初はグリーゼ876bよりも大きな軌道離心率を持つと考えられていました。

軌道と質量

グリーゼ876cは、グリーゼ876bとグリーゼ876eという他の惑星と1:2:4の軌道共鳴関係にあります。この軌道共鳴によって、惑星間には強い重力相互作用が働き、それにより軌道要素が急速に変化します。特に、グリーゼ876cの軌道離心率は、太陽系のどの惑星よりも大きいことが特徴です。軌道長半径はわずか0.13天文単位であり、これは水星と太陽の平均距離の約3分の1程度です。しかし、グリーゼ876自体が暗い恒星であるため、グリーゼ876cは系のハビタブルゾーン内に位置しています。

グリーゼ876cの質量は、視線速度法の限界から下限値しか得られませんでした。視線速度法では軌道傾斜角を決定できないため、正確な質量を測定することが困難です。しかし、グリーゼ876のように複数の惑星が共鳴関係にある系では、惑星間の重力相互作用を利用して質量を推定できます。その結果、グリーゼ876cの質量は木星の約0.71倍であることが判明しました。

特徴

グリーゼ876cは、その大きな質量から木星型惑星に分類され、固体の表面を持たないガス惑星であると考えられています。この惑星は間接的に検出されたため、半径、組成、温度などの詳細な特徴は不明です。しかし、組成は木星と類似しており、大気は化学平衡に達していると推測されています。また、この惑星の大気には雲がないと考えられています。

グリーゼ876cは、系のハビタブルゾーンの最も内側に位置しています。木星型惑星上での生命存在の可能性は不明ですが、もし大きな衛星が存在するならば、その衛星上には生命が存在しうる環境があるかもしれません。しかし、惑星と恒星との潮汐相互作用により、そのような衛星は破壊される可能性も指摘されています。さらに、衛星がそもそも形成されるのかどうかも不明です。

関連項目

グリーゼ876
グリーゼ876d
グリーゼ876b
グリーゼ876e
エキセントリック・プラネット

外部リンク

NASA Exoplanet Archive
The Extrasolar Planets Encyclopaedia
NASA Exoplanet Exploration
SIMBAD
Open Exoplanet Catalogue
* Exokyoto

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