ゲオルギオス・ラリス

ゲオルギオス・ラリス：激動の時代を駆け抜けたギリシャの政治家

ゲオルギオス・ラリス（1918年12月26日 - 2006年3月15日）は、ギリシャの政治家であり、首相を務めた人物です。彼の生涯は、ギリシャの激動の20世紀と深く結びついています。

生い立ちと家族

ラリスはアテネで生まれ、アテネ大学で政治学を学びました。彼の家系は、オスマン帝国時代のギリシャ人特権階級であるファナリオティスに遡ります。祖父のディミトリオス・ラリスと父のイオアニス・ラリスもギリシャの首相を務めています。しかし、父イオアニスは第二次世界大戦中にドイツ軍占領下の傀儡政権の首相を務めたため、戦後、ドイツ協力者として逮捕され獄中で亡くなるという悲劇に見舞われました。

政界での活躍

1950年、ゲオルギオス・ラリスは国会議員に初当選し、政界でのキャリアをスタートさせました。1954年には、アレクサンドロス・パパゴスによって閣僚に任命されています。コンスタンディノス・カラマンリスが民族急進同盟を結成するとこれに合流し、1963年までカラマンリス政権の大臣として活躍しました。

しかし、1967年にゲオルギオス・パパドプロスによるクーデターが発生し、ラリスは逮捕されカソス島へ送られました。その後、国外退去処分となりますが、1974年に民主化がなされるとギリシャへ帰還し、政界に復帰しました。

民主化後のカラマンリス政権では教育大臣に任命され、デモティキ（民衆語）の公用語化を担当しました。その後、外務大臣となり、ギリシャの外相として初めてソビエト連邦を訪問するなど、国際関係の改善に尽力しました。また、ブルガリアやユーゴスラビアとの関係を改善し、欧州経済共同体（EEC）加盟の準備を進めるなど、ギリシャの国際的な地位向上に貢献しました。

首相として

1980年、カラマンリスが政界を引退すると、ラリスは新民主主義党の党首に選出され、首相に任命されました。彼の任期中にギリシャは北大西洋条約機構（NATO）に再加盟を果たしましたが、翌年の総選挙でアンドレアス・パパンドレウの率いる全ギリシャ社会主義運動（PASOK）に敗れ、党首を辞任しました。その後、党首を継いだコンスタンディノス・ミツォタキスと対立し、新党を設立しました。

人柄と晩年

ラリスは、その温和な物腰と率直な人柄で知られていました。そのため、晩年まで多くの人々に慕われ、人気のある政治家であり続けました。2006年3月15日、アテネにて87歳でその生涯を閉じました。

ゲオルギオス・ラリスは、激動の時代を生き抜き、ギリシャの民主化と国際関係改善に大きく貢献した政治家として、その名が記憶されるでしょう。

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