ココ・B・ウェア

ココ・B・ウェア：空中殺法の達人、そしてレジェンド

ココ・B・ウェア（本名：ジェームズ・ウェア、1957年6月20日生まれ）は、アメリカ合衆国テネシー州出身の元プロレスラーです。卓越した跳躍力を活かしたダイナミックな空中技と、観客を魅了する陽気なキャラクターで、多くのファン、特に子供たちから熱狂的な支持を得ました。WWF（現WWE）を主戦場として活躍した彼のレスラー人生は、数々のドラマと成功に彩られています。

テネシーから世界へ：キャリアの始まり

1978年、テネシー州メンフィスのCWAでプロレスラーとしてのキャリアをスタートさせました。ベビーフェイス、ヒール両方の役割をこなし、ジェリー・ローラー、ソニー・キングといった当時のスター選手たちと激しい戦いを繰り広げました。ミッドアメリカ・ヘビー級王座を6回も獲得するなど、CWAでの活躍は目覚ましく、その後もNWAの主要テリトリーであるダラスやフロリダに進出し、フロリダ地区のUSタッグ王座も獲得するなど、その実力を証明しました。また、黒人マスクマンのスタッガー・リーやスウィート・ブラウン・シュガーとして活動していた時期もあり、リングネームだけでなくスタイルも変化に富んでいたことがわかります。軽量級戦線でも活躍し、USジュニアヘビー級王座も獲得。タッグチームでは、ノーベル・オースチンとのコンビ「プリティ・ヤング・シングス」として、数々のタッグチームと激闘を繰り広げました。

WWFでの活躍と仲間たち

1986年、WWFと契約。バードマンというリングネームを与えられ、愛鳥のフランキーを連れて入場するなど、個性的なキャラクターで人気を博しました。ブッチ・リードとの抗争はWWFでの大きな出来事の一つとなりました。レッスルマニアIIIでの決着戦は惜しくも敗れましたが、その後もミッドカードで活躍し続けました。1991年にはSWSに初来日。1992年にはオーエン・ハートとのタッグチーム「ハイ・エナジー」を結成し、ビバリー・ブラザーズやマネー・インクといった強豪タッグチームと激闘を繰り広げました。WWFとの提携団体であるUSWAにも参戦し、ジェリー・ローラーやカマラといったレジェンドレスラーとも対戦。WWFに8年間在籍し、その間、常に観客を魅了し続けるレスラーとして活躍しました。

インディー団体での活躍とレジェンドとしての地位

WWF退団後はインディー団体を転戦し、1995年にはIWCCWヘビー級王座を獲得。その後はセミリタイア状態でしたが、2000年代からはスポット参戦を続け、メンフィス周辺のインディー団体でレジェンドとして活躍しています。2005年にはWWEの『Heat』で試合を行い、2008年にはTNAにも登場。そして2009年、WWE殿堂入りを果たしました。これは彼のプロレス界への多大なる貢献が認められた証と言えるでしょう。

知られざるエピソードと個性

WWF時代には、ダイナマイト・キッドから「バックウィート」と呼ばれていましたが、これは差別的な意味ではなく、彼ら二人の間だけのジョークとして受け入れられていました。しかし、酔ったポール・ローマが同じ呼び名でココを挑発した際には、叩きのめされたというエピソードもあります。WWE看板番組『RAW』の初回放送のオープニングマッチにも出場し、その存在感を示しました。オーエン・ハートとのタッグチーム「ハイ・エナジー」では、オーエンがヒール・バージョンのブルー・ブレイザーとして復活した際、「ブラック」ブルー・ブレイザーとして彼と対峙するアングルが組まれたこともありました。リングネームの「B」はジム・ロスが命名したもので、現在でも二人は友人関係を続けています。

輝かしい戦績：獲得タイトルの数々

ココ・B・ウェアは、長年のキャリアの中で数々のタイトルを獲得しました。NWAミッドアメリカ・ヘビー級王座6回、USWA統一世界ヘビー級王座2回など、その実績は輝かしいものがあります。他にも、NWAミッドアメリカTV王座、CWA USジュニアヘビー級王座、AWA南部タッグ王座、USWA世界タッグ王座、NWA USタッグ王座（フロリダ版）、IWCCWヘビー級王座、RWFヘビー級王座などを獲得しています。これらのタイトルは、彼の並外れた実力と努力の証です。

ココ・B・ウェアのレガシー

ココ・B・ウェアは、卓越した空中技とエンターテイナーとしての才能、そして多くの仲間たちとの絆で、プロレス界に大きな足跡を残しました。彼の活躍は、多くのファンに感動と勇気を与え続け、レジェンドとして永遠に語り継がれていくことでしょう。 彼のキャリアは、単なるプロレスラーの物語ではなく、努力と友情、そしてエンターテイメントの力強さを示す感動的な物語なのです。

もう一度検索