コニー・360

コニー・360（Cony 360）

コニー・360は、日産自動車の関連企業である愛知機械工業によって、1962年から1970年にかけて生産された軽商用車です。この車はライトバンとピックアップトラックの2種類があり、型式名はAF7型です。前モデルであるヂャイアント・コニー360 AF3型を基にしたモデルチェンジ版であり、「ヂャイアント」という名称を外し、以後「コニー」というブランド名が用いられることになりました。

概要

コニー・360は1962年7月にトラック型のAF7型が、同年11月にライトバンのAF7V型として市販が開始されました。新設計によるボディデザインは、当時の流行を取り入れ、居住性の向上も図られました。エンジンはヂャイアント・コニー360に搭載されていたAE57型水平対向2気筒強制空冷エンジンから、ショートストロークのAE58型に変更され、最高出力は当初の16馬力から18.5馬力、1967年以降には20.6馬力にまで引き上げられました。

エンジンはアンダーフロア配置（ミッドシップ）を採用し、全高を低くしつつ居住性と積載性を向上させるために、オイルタンクが別体のドライサンプを採用するという先進的な技術を用いていました。さらに、ステアリングにはラック・アンド・ピニオンを取り入れ、高速性能も備えた構造となっていました。

歴史

1963年2月には「バン・デラックス」という乗用車のような装備を持つモデルが追加され、人気を博しました。1965年11月にはマイナーチェンジが行われ、フロントデザインが一般的な形へと変更されました。1967年には「ハイパワードライブ」機能が付いたモデルが新たに加わり、1968年には全車がフルシンクロ4速のギアボックスを装備しました。

しかし、軽商用車市場は、1967年にホンダがN360の商業車バージョンであるLN360とTN360を投入したことにより、競争が激化しました。他のメーカーも新モデルや性能向上を図ったため、コニーは販売減少の傾向が見られました。

1965年3月には日産自動車と業務提携し、翌年からはサニー用のエンジンとトランスミッションの生産に着手しました。この影響で新たなモデルチェンジや価格競争への参加には消極的で、1970年1月には生産を中止。AF7型の生産台数は143845台に達しました。

その後、愛知機械工業はより大型のモデルへとラインをシフトさせ、完成車製造からは撤退し、部品製造に専念するようになりました。また、コニー・360は一部がアメリカやフィリピンにも輸出され、台湾では日産と提携した裕隆汽車によって部分的に生産されました。アメリカ本土でもいくつかが輸出され、配達用や構内作業車として使用されることがありました。

販売店は1969年に「日産コニー○○販売」に社名変更し、サニーなども扱うようになりましたが、その後「日産チェリー○○販売」と改組され、日産の前輪駆動車「チェリー」の販売も行うようになりました。

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