コヒナリンドウ

コヒナリンドウ（小雛竜胆）

コヒナリンドウ（学名：Gentianopsis laeviuscula Toyok.）は、リンドウ科リンドウ属に分類される二年草の一種です。ヒナリンドウに近縁であり、変種として扱われることもあります。

特徴

コヒナリンドウは、小型のリンドウであり、以下の特徴を持ちます。

草丈: 1.5-5cm
根生葉: 茎葉よりも大きく、長さ5-15mm。ロゼット状で、縁はやや軟骨質で白っぽい縁取りと微突起があります。
花: 小型。萼筒は長さ4-8mmで裂片は三角形。花冠は長さ6-12mmで裂片は卵形、筒部の基部はあまり細くなりません。
花期: 6-9月上旬
果実: 蒴果で、上部が2つに裂けます。

分布と生育環境

コヒナリンドウは日本の固有種であり、本州の日光連山（女峰山）、赤石山脈（三伏峠、兎岳）、白山に隔離分布しています。1995年には白井伸和によって白山でも発見されました。基準標本は赤石山脈の三伏峠のものです。

高山帯の湿った草地に生育します。

種の保全状況評価

コヒナリンドウは、環境省によりレッドリストの絶滅危惧IB類（EN）に指定されています。また、以下の都道府県でレッドリストの指定を受けており、生育地が限られており個体数が少ない状況です。

絶滅危惧IA類 - 長野県
絶滅危惧I類 - 石川県、福井県
絶滅危惧IB類 - 静岡県
要注目 - 栃木県


コヒナリンドウは、その美しい姿と希少性から、保護の必要性が高い植物です。生育地の環境保全や個体数の維持に向けた取り組みが求められています。

参考文献

久保田修『高山の花―イラストでちがいがわかる名前がわかる』学習研究社、2007年6月。ISBN 978-4054029033
清水建美、門田裕一、木原浩『高山に咲く花』（増補改訂新版）山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑8〉、2014年3月22日。ISBN 978-4635070300
豊国秀夫『日本の高山植物』山と溪谷社〈山溪カラー名鑑〉、1988年9月。ISBN 4-635-09019-1
佐竹義輔、大井次三郎、北村四郎、亘理俊次、冨成忠夫 編『日本の野生植物 草本Ⅲ合弁花類』平凡社、1981年10月。ISBN 4582535038

関連項目

維管束植物レッドデータブック (環境省)
維管束植物レッドリストの変遷 (環境省)

外部リンク

コヒナリンドウの標本（静岡県静岡市三伏峠で1978年6月18日に採集）　（千葉大学附属図書館）

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