コミンフォルム

コミンフォルムの成立と影響

コミンフォルム（正式名称: 共産党・労働者党情報局）は、1947年9月に設立され、国際的な共産主義運動の重要な枠組みでした。この組織は、1943年に解散したコミンテルンの後継として位置づけられ、戦後の国際情勢において大きな役割を果たしました。

設立背景

コミンフォルムの成立は、第二次世界大戦後の大国間のパワーバランスや冷戦の始まりと深く関連しています。設立当初、ソ連の支配下にあった各国共産党の指導者がポーランドのシュクラルスカ・ポレンバに集まり、共通の目標に向かって協力するための情報交換の場を設けることが決定されました。これにより、戦後の世界での共産主義の影響力を強化する狙いがありました。

主な目的

コミンフォルムの主要な目的は、ソ連の指導のもと各国共産党の活動を調整することでした。また、独自の機関紙『恒久平和のために人民民主主義のために!』を発行し、共産主義の理念を広める役割も担いました。これにより、各国の共産党は情報を共有し、さらなる連携を図ることができました。

ユーゴスラビアとの対立

当初、コミンフォルムの拠点はユーゴスラビアの首都ベオグラードに設置されましたが、ユーゴスラビアの指導者チトーが独自の路線を取ろうとした結果、スターリンとの関係が悪化しました。1948年にはユーゴスラビアが追放され、コミンフォルムはルーマニアのブカレストに移転することになりました。この出来事は、ソ連と衛星国との関係性における緊張を象徴するものであり、冷戦構造の一端を形成しました。

経済的側面とモロトフ・プラン

設立初期、チェコスロバキア、ポーランド、ハンガリーはマーシャル・プランによるアメリカからの支援を希望していましたが、スターリンはこれを許さず、ソ連の影響下に留まるよう求めました。その代わりに、ソ連外相ヴャチェスラフ・モロトフが提案したモロトフ・プランが用意され、これが後の経済相互援助会議（COMECON）へとつながる一歩となりました。

日本共産党への影響

1950年、コミンフォルムは日本共産党の活動に干渉し、米軍主体の占領軍を「解放軍」と位置づけるその立場を批判しました。この干渉は日本共産党内部に分裂を引き起こし、過激派と穏健派の対立を生む原因となりました。その後、1951年には党の武装方針が示されたことも、この時期の混乱を象徴しています。

組織の終焉

コミンフォルムは、スターリンの死後の指導者間の対立やユーゴスラビアとの和解を経て、1956年に廃止されました。このことは、冷戦構造の変化や内部的な力学の変動を示すものであり、国際共産主義運動の新たな段階への移行を意味しました。コミンフォルムの活動は、共産主義の歴史の中で重要な年代を形成し、その後の国際社会の動態に影響を与えました。

加盟政党

コミンフォルムには以下の政党が加盟していましたが、ユーゴスラビアは1948年に追放されました：

• - ソビエト連邦共産党
• - チェコスロバキア共産党
• - ルーマニア労働者党
• - ハンガリー勤労者党
• - ポーランド統一労働者党
• - ブルガリア共産党
• - ユーゴスラビア共産主義者同盟（1948年追放）
• - トリエステ自由地域共産党
• - フランス共産党
• - イタリア共産党

このように、コミンフォルムは戦後の国際関係において重要な役割を果たし、冷戦時代における共産主義の位置づけを固める基盤となりました。

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