コンスタンディノス・ミツォタキス

コンスタンディノス・ミツォタキス：ギリシャの政治家、首相

コンスタンディノス・ミツォタキス（Konstantinos Mitsotakis、1918年10月18日 - 2017年5月29日）は、ギリシャの政治家であり、首相を務めました。彼は、ギリシャ政界において重要な役割を果たし、その政策とリーダーシップは、ギリシャ国内外に影響を与えました。

生い立ちと初期の経歴

1918年、ミツォタキスはクレタ島のハニアで生まれました。彼は、多くのギリシャの政治家と同様に、政治家一家の出身であり、祖父と父は国会議員、エレフテリオス・ヴェニゼロスは叔父にあたります。青年期には、ナチスのクレタ島占領に反対し、レジスタンス運動に参加しました。アテネ大学で法学と経済学を学んだ後、1946年に国会議員に初当選しました。

政治家としてのキャリア

ヴェニゼロスの親類であった彼は、伝統的なギリシャのリベラルであり、ゲオルギオス・パパンドレウの率いる中央同盟に加わっていました。しかし、1965年に党内の反パパンドレウ派を率いて野党に転じ、パパンドレウ政権の崩壊を招きました。1967年にゲオルギオス・パパドプロスによるクーデターが発生すると、ミツォタキスは逮捕され、国外退去処分となりました。

1974年の民主化後の総選挙では、無所属で立候補して落選しました。1977年に新自由主義党から出馬して当選し、翌1978年にはコンスタンディノス・カラマンリス率いる新民主主義党に加わりました。1978年に経済担当相、1980年には外務大臣に任命されています。

1981年の選挙で新民主主義党は、アンドレアス・パパンドレウ率いる全ギリシャ社会主義運動に敗北しました。1984年にミツォタキスは新民主主義党の党首に就任し、その後10年に渡りパパンドレウとギリシャ政界を率いることになりました。1989年の選挙では、パパンドレウがクレタ銀行をめぐるスキャンダルに巻き込まれ、新民主主義党が第一党となりました。数ヶ月前に全ギリシャ社会主義運動により改正されていた選挙法によって比例代表制がしかれていたため、新民主主義党は安定多数による政権を握る事ができませんでした。議会の硬直化の後、1990年4月に行われた選挙ではNDが辛うじて過半数を制し、ミツォタキスは首相に任命されました。

首相として

ミツォタキスは、政府の財政規模を小さくし、市民サービスの改善に取り組みました。また、外交面では、パパンドレウ時代に関係が冷え込んだアメリカ合衆国との信頼関係の構築に努め、1990年にはギリシャの首相として26年ぶりにアメリカを訪問しました。NATOへの再加入を果たし、トルコとの関係改善にも取り組みました。

しかし、パパンドレウは政治家を裁く特別裁判で辛うじて無罪となり、善隣外交を展開するミツォタキスがマケドニア、キプロス問題に関して弱腰過ぎると批判し、党勢の回復を狙いました。旧ユーゴスラビアのマケドニア共和国の名称を巡る問題に対し、国民は大きな関心を寄せ、1993年の選挙ではパパンドレウ率いる全ギリシャ社会主義運動が勝利し、ミツォタキスは党首を辞任しました。

その後と家族

2004年3月の選挙を機に彼は政界を引退し、以降はクレタ島の考古遺産の保護に取り組みました。2017年5月29日に98歳で死去。

息子のキリアコス・ミツォタキスは国会議員であり、2019年よりギリシャの首相を務めています。娘のドラ・バコヤンニは、アテネ市長、外務大臣などを歴任しています。

コンスタンディノス・ミツォタキスの政治家としてのキャリアとリーダーシップは、ギリシャの歴史において重要な位置を占めています。

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