コンデュイット

コンデュイット - 英国が生んだサラブレッドの英雄

2005年3月23日生まれのコンデュイットは、イギリスの競走馬として、そして種牡馬としてその名を刻みました。2020年6月17日、急性の脳損傷により15歳でその生涯を終えるまで、数々の名勝負を繰り広げた、華麗にして悲劇的な生涯をたどります。

輝かしい競走馬時代

2007年8月のデビューから頭角を現し始め、2008年にはセントレジャーステークスで圧巻の勝利を収めます。5番人気という下馬評を覆し、3馬身差の快勝劇は、関係者をはじめ多くの競馬ファンを魅了しました。さらに、同年にはブリーダーズカップ・ターフも制覇。セントレジャーステークスの優勝馬がブリーダーズカップ・ターフを制したのは史上初であり、その偉業は競馬史に新たな1ページを刻みました。この活躍により、同年のエクリプス賞最優秀芝牡馬に選出されています。

2009年にはキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスでG1・3勝目を達成するなど活躍を続けました。しかし、凱旋門賞では惜しくも4着に終わります。その後、ブリーダーズカップ・ターフでは、大逃げを打ったライバルをゴール前で交わし、史上2頭目となる同レース連覇という偉業を達成しました。引退レースとなったジャパンカップでは、人気を集めながら4着という結果に終わりますが、その走りには多くのファンが感動しました。

種牡馬としての歩みと突然の死

2010年からはビッグレッドファームで種牡馬としての生活を始めました。しかし、産駒の活躍は期待を下回り、2015年には北アイルランドのスタッドへと移籍しました。競走馬時代とは対照的な結果に終わり、中央競馬では東京ジャンプステークスを制したシンキングダンサーなど、わずかな活躍馬を残すのみでした。6年間の種牡馬生活で137頭の勝ち上がり馬を送り出しましたが、大きな成功とは言い難い結果に終わりました。

2020年6月17日、コンデュイットは急性の脳損傷のため、15歳という若さでこの世を去りました。その死は、多くの競馬関係者やファンに深い悲しみを与えました。

偉大な血統

コンデュイットの血統は、その競走能力を裏付けるように、数々の名馬を輩出してきた名門です。祖母River Dancerの産駒には、愛2000ギニーやチャンピオンステークスを制したSpectrum、愛オークスなどG1を3勝したPetrushkaの母であるBallet Shoes、伊2000ギニー勝ち馬Poliutoの母であるPloyなど、錚々たる顔ぶれが名を連ねます。さらに遡ると、英セントレジャーを制したMillenaryや、毎日杯を勝ったミュゼエイリアンなどもその血を引きます。

4代母Sunny Valleyの産駒には、サドラーズホールや英オークスと英セントレジャーを制したSun Princessなどがいます。Sun Princessの産駒にはPrince of Dance、Princely Venture、そしてバレークイーンなどがおり、このバレークイーンを介して、フサイチコンコルド、ボーンキング、アンライバルド、リンカーン、ヴィクトリー、エリンバード、アドマイヤホープ、アドマイヤフジなど、数多くの日本産名馬との血統的つながりが見られます。

結論

コンデュイットは、競走馬として、そして種牡馬として、その短い生涯の中で数々のドラマを私たちに見せてくれました。その輝かしい活躍と悲劇的な最期は、競馬史に永遠に刻まれることでしょう。彼の血統は、今後も日本の競馬界に影響を与え続ける可能性を秘めています。

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