コーパスクリスティ (哨戒フリゲート)

USS コーパスクリスティ (PF-44)

USS コーパスクリスティ (USS Corpus Christi, PF-44) は、アメリカ海軍が運用したタコマ級哨戒フリゲート艦の一隻です。その艦名は、テキサス州南部に位置する主要都市、コーパスクリスティに由来しています。

建造から就役

本艦の建造は、1943年7月17日にカリフォルニア州ウィルミントンにあるコンソリデーテッド・スチール社で開始されました（起工）。その後、同年8月17日には、C・ドリスコル夫人によって命名式と進水式が執り行われました。建造および準備期間を経て、1944年1月29日、サンペドロにて正式に就役しました。初代艦長には、沿岸警備隊の中佐であるW・W・チルドレスが就任しました。

太平洋での活動開始

就役を終えたコーパスクリスティは、アメリカ海軍の太平洋艦隊に編入され、実任務を開始しました。最初の重要な航海として、1944年7月18日にサンペドロを出港しました。本艦は太平洋を横断し、ヌメア、ケアンズといった港を経由した後、パースへと向かいました。記録によれば、パースには出発と同日である7月18日に到着したとされています。

パースに到着後、コーパスクリスティは同地を拠点として活動しました。ここでは、潜水艦の行動を支援するための演習に積極的に参加しました。また、当時の第7艦隊潜水艦部隊の指揮官の指導のもと、多岐にわたる訓練に従事し、対潜哨戒艦としての能力向上に努めました。

特筆すべき功績

コーパスクリスティの艦歴において、特にその人道的かつ戦略的な貢献として二つの顕著な功績が記録されています。

一つ目は、1945年2月13日にインド洋で発生した出来事です。当時、雷撃を受けて危機的な状況に陥っていた貨物船「ピーター・シルヴェスター (SS Peter Silvester)」に対し、本艦は迅速に救援活動を展開しました。この活動の結果、合計92名に及ぶ生存者を無事救助することに成功しました。この大規模な捜索・救助活動には、アメリカ海軍のみならず、オーストラリア海軍からも多数の艦艇が参加し、緊密な連携のもとで行われました。

二つ目の功績は、連合国軍の主要戦力に対する支援任務です。1945年6月13日から15日にかけての期間、コーパスクリスティはイギリス海軍が誇る戦艦「ハウ (HMS Howe, 32)」に対し、海上での給油作業を実施しました。この任務は、広範な作戦行動を展開する戦艦の燃料補給を担う重要な役割であり、同盟国艦艇の継続的な運用能力維持に貢献しました。

戦後と終焉

第二次世界大戦が終結に近づき、本艦はパースでの任務を終えました。1945年8月27日にパースを出港し、マヌス島や真珠湾といった太平洋上の主要な基地を経由しながら帰国の途につきました。同年10月3日にはサンペドロへ無事到着しました。

サンペドロ到着後、コーパスクリスティはカリフォルニア州のターミナル・アイランドにおいて、その任務を変更するための大規模な改修を受けました。この改修により、本艦は気象観測艦としての新たな役割を担うことになりました。

改修後の1946年4月15日から同年7月5日まで、本艦は一時的にアメリカ沿岸警備隊に貸与され、その指揮下で運用されました。しかし、その艦齢も尽きつつあり、1946年8月2日にはアメリカ海軍から正式に退役しました。最終的に、1947年10月3日をもって売却され、USS コーパスクリスティ (PF-44) の艦歴はここに幕を閉じました。

もう一度検索