コーリー・アンダーソン

アメリカ合衆国の男性総合格闘家、コーリー・アンダーソン（Corey Anderson）は、1989年 9月22日にイリノイ州ロックフォードで生まれました。現在はヘンゾ・グレイシー・アカデミーを活動拠点としており、Bellator世界ライトヘビー級の現チャンピオンです。学生時代はレスリングで優れた実績を残し、プロ転向後は「The Ultimate Fighter」（TUF）の優勝者としてその名を馳せました。

レスリングからの転身

ウィスコンシン大学ホワイトウォーター校に進学したアンダーソンは、レスリングで頭角を現し、NCAAディビジョン3で準優勝という輝かしい成績を収めました。大学卒業後、後のONE Championshipウェルター級王者であるベン・アスクレンの勧めを受けて総合格闘技の世界へ足を踏み入れます。そして、2013年にプロ総合格闘家としてのキャリアをスタートさせました。

TUF制覇とUFCでの戦い

プロデビューの翌年、2014年にはUFCのリアリティ番組「The Ultimate Fighter」シーズン19に出場しました。元UFC世界ライト級王者フランク・エドガー率いるチームに所属し、ライトヘビー級トーナメントに参戦。1回戦、準決勝をいずれも判定勝利で勝ち上がり、決勝へと駒を進めました。決勝ではマット・ヴァン・バーレンと対戦。初回にパウンド攻撃によるTKO勝利を収め、トーナメント優勝の栄冠に輝きました。

TUF優勝者としてUFC本戦へ参戦を果たしたアンダーソンは、2014年12月のUFC 181でジャスティン・ジョーンズを相手に白星を挙げ、UFCでのスタートを切ります。その後、ジアン・ヴィランテ戦でTKO負けを喫したものの、この試合は「ファイト・オブ・ザ・ナイト」に選ばれる激闘となりました。ヤン・ブラホヴィッチやファビオ・マルドナドといった強豪に判定勝ちを収め、UFCライトヘビー級ランキングの上位に名を連ねるようになります。

しかし、マウリシオ・ショーグン戦での僅差の判定負けや、ジミ・マヌワ、オヴィンス・サンプルー相手のKO負けなど、厳しい局面も経験しました。それでも、パトリック・カミンズ、グローバー・テイシェイラ、イリル・ラティフィといった実力者を判定で下し、ライトヘビー級のトップコンテンダーの一人としての地位を確固たるものにしていきます。2019年にはジョニー・ウォーカーを相手に1ラウンドTKO勝利を飾り、「パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト」を受賞。この勝利は大きなインパクトを残しましたが、試合後の行動により罰金を科されるという出来事もありました。2020年2月、再びヤン・ブラホヴィッチと対戦するも、初回に強烈なフックを受けてKO負けを喫し、前回の勝利のリベンジを許す形となりました。この試合後、アンダーソンはUFCとの契約が残っていたものの、リリースの要求が認められ、新たな舞台を求めてBellatorへの移籍を決断しました。

Bellatorでの挑戦と王座獲得

2020年11月、Bellator 251でメルヴィン・マヌーフをグラウンドの肘打ちでTKOに破り、Bellatorでの初陣を飾ります。その後、Bellatorライトヘビー級ワールドグランプリに参戦し、ドブレジャン・ヤシムラドフとの再戦、ランキング1位（当時）だったライアン・ベイダーをわずか開始51秒でTKOに仕留めるなど、圧倒的な強さで勝ち進みました。

グランプリ決勝ではBellator世界ライトヘビー級王者ワジム・ネムコフとのタイトルマッチが実現。試合はアンダーソンがグラウンドで優位に進めていましたが、偶発的なバッティングによりネムコフが負傷し、ノーコンテストという不本意な結末となりました。2022年11月に行われた再戦では、フルラウンドの激闘の末に判定負けを喫し、グランプリ優勝と王座獲得は叶いませんでした。

しかし、不屈の精神で再び頂を目指したアンダーソンは、2024年3月22日、Bellator Champions Series 1でマグメド・マゴメドフと対戦し、勝利を収め、念願のBellator世界ライトヘビー級王座を獲得しました。これは彼にとってBellatorでの初のメジャータイトル獲得であり、キャリアの大きな節目となりました。

レスリングで培ったフィジカルとグラウンドコントロールを武器に、立ち技での決定力も兼ね備えたアンダーソンは、総合格闘技のライトヘビー級戦線で常にトップクラスの選手として活躍し続けています。

タイトル・表彰等

XFLライトヘビー級王座（2013年）
The Ultimate Fighter 19 ライトヘビー級トーナメント優勝（2014年）
第8代Bellator世界ライトヘビー級王座（2024年）
ブラジリアン柔術紫帯
UFC ファイト・オブ・ザ・ナイト（1回）
UFC パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト（1回）

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