ゴール (スリランカ)

ゴール：歴史と文化が息づく港町

ゴール（シンハラ語: ගාල්ල、タミル語: காலி、英語: Galle）は、スリランカの南西海岸に位置する、南部州の州都であり、ゴール県の県都でもあります。首都コロンボから南へ約119kmに位置し、スリランカ最南端の主要都市として、鉄道がコロンボや東のマータラとを結んでいます。2012年の国勢調査によると、人口は約9万9千人です。

歴史

古代から多くの商人が行き交う港として栄え、ペルシア、アラブ、ギリシャ、ローマ、マレー、インド、中国など、様々な国の人々が訪れていました。1505年にポルトガル船が来航したことが、ゴールの近代史の始まりとされています。当時は「Gimhathiththa」と呼ばれ、セイロン島の主要な港でした。ポルトガルは武力で入港を果たし、この地を支配下に置きます。1640年には、オランダ東インド会社がポルトガル軍を降伏させ、ゴールの支配権を握りました。1663年には、現在も残る要塞が建設され、花崗岩でできた壁と、太陽、月、星と呼ばれる3つの稜堡が特徴的です。オランダ植民地時代には、ゴールは大きく発展しました。1796年にイギリスがオランダから支配権を奪うと、イギリスは要塞を保存し、行政の中心として使用しました。1988年には、要塞に囲まれた旧市街がユネスコの世界遺産に登録されています。2004年のスマトラ島沖地震では津波の被害を受け、多くの犠牲者が出ましたが、その後復興が進められ、2007年には再建されたスタジアムでクリケットの試合が開催されました。

気候

ケッペンの気候区分では熱帯雨林気候に属しており、明確な乾季はありません。年間を通して気温の変化は少なく、平均気温は約26℃です。1月から2月にかけては降水量が減少する傾向があります。

人口動態

ゴールの人口はスリランカの平均よりも多く、2012年時点で約9万9千人です。住民の多数派はシンハラ人ですが、フォート地区には古代のアラブ商人の末裔であるスリランカ・ムーアも多く居住しています。近年では外国人の居住者も増えています。

交通

鉄道のコーストラインが通り、ゴール駅は主要駅です。また、スリランカ初の高速道路である南部高速道路が、ゴールとコロンボを結んでいます。

公衆衛生

都市開発に伴い、1日に約45トンの廃棄物が排出されています。廃棄物処理は市の廃棄物管理局が行い、市から15km離れた場所に処分場を設けて対応しています。老朽化した収集車が使われていましたが、日本の政府開発援助によって新しい収集車が導入されました。

施設

ゴールの旧市街と要塞：世界遺産に登録された歴史的な建造物群。
国立ゴール博物館：地域の歴史や文化を展示。
ゴール・インターナショナル・スタジアム：クリケットの試合が開催される。

姉妹都市

フェルセン（オランダ）

ゴールは、歴史と文化、美しい自然が調和した魅力的な都市です。歴史的な建造物が残る旧市街を散策したり、美しいビーチでリラックスしたり、様々な楽しみ方ができるでしょう。

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