サイプリア宗谷

サイプリア宗谷

サイプリア宗谷（サイプリアそうや）は、ハートランドフェリーが運営するフェリーであり、礼文島に生息する固有種レブンアツモリソウに因んで名付けられた船です。このフェリーは、北海道の稚内から利尻島および礼文島への航路を運航しており、2008年5月1日に就航しました。これにより、従来のクイーン宗谷は引退し、その後インドネシアへ売却されました。

船のデザインと建造

サイプリア宗谷は、内海造船瀬戸田工場で建造され、船体は3層構造を採用しています。最上層には操舵室と旅客区画があり、その下層にはさらに旅客区画が存在します。そして、最下層は車両搭載区画で構成されています。特筆すべきは、航路に就航する船として初めてフィンスタビライザーを装備している点です。

また、この船は高齢者や障害者に配慮したバリアフリー設計が施されており、法律に基づいたバリアフリーガイドラインに準拠しています。船内には多機能トイレや車いす対応のエレベーターが完備されており、全ての乗客が快適に移動できるようになっています。

航路の詳細

サイプリア宗谷は、次の航路で運航しています:

• - 稚内港 - 鴛泊港（利尻島）および香深港（礼文島）
• - 鴛泊港 - 香深港
• - 沓形港（利尻島） - 香深港（季節限定運航: 6月〜9月）

この航路は、ボレアース宗谷、アマポーラ宗谷という他の2隻の船と共に運航しており、乗客や車両の輸送に貢献しています。

船内施設

サイプリア宗谷の船内は「心の旅」と「大自然の優しさに目覚める旅」というデザインコンセプトに基づいており、内装は髙島屋グループの髙島屋スペースクリエイツによって手掛けられています。船室は特別室や一等のラウンジ席、和室、さらに二等のイス席や座敷席が用意されています。バリアフリー対応の優先席も設けられており、様々なニーズに応えています。

設備

船内には案内所や売店が併設されており、乗客は快適に過ごすことができます。各種サービスが利用可能で、スムーズな移動をサポートします。

インシデントと安全対策

2008年11月20日に発生した事故では、サイプリア宗谷が香深港の岸壁に衝突する事態が起きました。この事故は、強風と視界不良の中での着岸時に船長が目測のみで状況を判断したことが原因とされます。結果として船首に損傷を与え、浸水事故も発生しました。

このような事故は、船舶運航の安全性において注意深い判断がいかに重要かを再認識させる出来事となりました。

まとめ

サイプリア宗谷は、バリアフリー化が推進された現代的なフェリーであり、利尻・礼文航路を結ぶ重要な交通手段としての役割を果たしています。快適な旅を提供するための多様な施設が整っており、自然を感じながらの移動が楽しめる船旅の魅力が詰まっています。

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