サマーバード

サマーバード(Summer Bird)は、2006年4月7日にアメリカで生まれた競走馬です。2009年、華々しいデビューを飾ります。3月のデビュー戦からわずか2戦目で勝利を収めると、続くアーカンソーダービーでは7番人気ながら3着と健闘しました。続くケンタッキーダービーでは6着と結果を残せませんでしたが、距離の短いプリークネスステークスを回避し、ベルモントステークスに挑みます。

そして迎えたベルモントステークス。ここでサマーバードは、当時最強馬と言われたマインザットバードを差し切り、見事優勝を飾りました。これは重賞・G1競走初制覇であり、同時に父バードストーンとの父仔制覇という快挙でもありました。鞍上を務めたケント・デザーモ騎手にとっても、ベルモントステークスの勝利は大きな喜びとなりました。彼はケンタッキーダービーとプリークネスステークスでは勝利を収めていましたが、ベルモントステークスではこれまで勝てておらず、サマーバードとのコンビで悲願を達成したのです。

続くハスケルインビテーショナルハンデキャップでは、プリークネスステークス優勝馬レイチェルアレクサンドラに敗れ2着となりましたが、勢いは衰えず。トラヴァーズステークスでは、マインザットバードとレイチェルアレクサンドラが回避したこともあり、クラシック競走未出走のクオリティロードやケンセイらとの対戦となりました。2番人気に支持されたサマーバードは、ライバルたちを寄せ付けず、3馬身2分の1差で圧勝。ベルモントステークスに続く父仔制覇を成し遂げました。

さらにジョッキークラブゴールドカップステークスでも、古馬相手に1番人気に応え、クオリティロードに1馬身差をつけて勝利。G1競走3勝目を挙げました。

これらの活躍により、サマーバードは2009年度エクリプス賞最優秀3歳牡馬に選出されました。しかし、最大の目標であったブリーダーズカップ・クラシックでは、無敗の牝馬ゼニヤッタ、欧州からの強豪リップヴァンウィンクルらに敗れ4着に終わりました。

その後、アメリカ三冠馬として初めてジャパンカップダートへの挑戦が計画され、来日して調整を進めていましたが、11月29日の調教中に右第3中手骨を骨折。惜しまれつつも、出走は叶いませんでした。

2010年、馬主との厩舎との関係悪化から転厩。復帰を目指して調整が続けられましたが、患部の合併症が見つかり、現役続行は断念。2010年に種牡馬となりました。2012年には日本軽種馬協会がサマーバードの購買契約を結びました。

しかし、2013年12月23日、変位疝により、わずか7歳でその生涯を終えました。サマーバードは、短くも輝かしい競走生活を送ったアメリカを代表する名馬として、多くのファンに惜しまれながら、その短い生涯を閉じました。彼の血統は、Birdatthewire（ラブレアステークス優勝）など、優れた競走馬を輩出しています。

サマーバードの血統は、ケンタッキーダービー優勝馬のアンブライドルド、グラインドストーン、そして父バードストーン（ベルモントステークス優勝）と繋がっており、4代続けてアメリカクラシック競走に勝利馬を送り出している名門一族です。彼の死は多くの関係者を悲しませましたが、その偉大な功績は、今後も語り継がれていくことでしょう。

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