サム・ダーノルド

サミュエル・ダーノルド：若き才能が開花するまで

サミュエル・リチャード・ダーノルド（Samuel Richard Darnold, 1997年6月5日生まれ）は、アメリカ合衆国カリフォルニア州デイナポイント出身のプロアメリカンフットボール選手です。現在はNFLのシアトル・シーホークスに所属し、クォーターバック（QB）としてチームを牽引しています。

プロ入り前

南カリフォルニア大学（USC）に進学したダーノルドは、当初ラインバッカーへの転向を打診されますが、QBへのこだわりからこれを拒否。2015年シーズンは赤シャツ制度（練習生）として過ごし、実力を磨きました。

2016年シーズン、ダーノルドは2番手QBとして開幕を迎えます。しかし、チームの成績不振を受けてシーズン途中に先発QBに昇格。すると、チームは快進撃を見せ、8年ぶりにローズボウルへの出場を果たします。ローズボウルでは、ダーノルドはパス53回中33回成功、453ヤード、5TDという驚異的な記録を打ち立て、チームを勝利に導きました。

2017年シーズンは、ハイズマン賞の有力候補として注目を集めましたが、開幕当初は新加入のワイドレシーバー陣との連携がうまくいかず苦戦します。しかし、徐々に調子を取り戻し、最終的にはパス成功率63.1%、4,143ヤード、26TD、13INT、5ラッシングTDという素晴らしい成績を残しました。

NFLでの活躍

ニューヨーク・ジェッツ

2018年、ダーノルドはNFLドラフトにエントリーし、ニューヨーク・ジェッツから1巡目3位で指名を受けます。4年3025万ドル（約34億円）という大型契約を結び、NFLの世界へ足を踏み入れました。

開幕前に先発QBに指名されたダーノルドは、2018年9月10日のデトロイト・ライオンズ戦でプロデビュー。AFLとNFLの合併以来、最年少の開幕先発QBという記録を打ち立てました。デビュー戦では、最初のパスがインターセプトされTDを許すという苦い経験もしましたが、その後は立て直し、198ヤード、2TDを記録し、チームを勝利に導きました。2018年シーズンは、2,865ヤード、17TD、15INTという成績で終えました。

2019年シーズンは、伝染性単核球症に感染し、3試合を欠場するというアクシデントに見舞われました。復帰後初の試合となったダラス・カウボーイズ戦では、338ヤード、2TD、1INTを記録し、チームを勝利に導き、AFC週間最優秀攻撃選手に選ばれました。しかし、翌週のニューイングランド・ペイトリオッツ戦では、154ヤード、0TD、4INT、1ファンブルロストと散々な結果に終わり、チームも完封負けを喫しました。この試合中、ダーノルドが「幽霊が見える」と弱音を吐いたことがマイクに拾われ、放送されるというハプニングもありました。2019年シーズンは、3,024ヤード、19TD、13INTという成績で終えました。

カロライナ・パンサーズ

2021年4月5日、ダーノルドは3つのドラフト指名権と引き換えにカロライナ・パンサーズにトレードされました。

サンフランシスコ・49ers

2023年3月16日、サンフランシスコ・49ersと1年契約を結び、ブロック・パーディのバックアップQBを務めました。

ミネソタ・バイキングス

2024年3月、カーク・カズンズをFAで失ったミネソタ・バイキングスと1年契約を結びました。全試合に先発出場し、14勝3敗でチームをプレーオフに導く活躍を見せました。

シアトル・シーホークス

2025年3月、シアトル・シーホークスと複数年契約を結びました。契約規模は5,500万ドルが保証された3年総額1億500万ドルと報じられています。


サミュエル・ダーノルドは、その才能と努力で数々の困難を乗り越え、NFLの舞台で輝きを放っています。今後の活躍にも目が離せません。

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