サンシャイン・ポップ

サンシャイン・ポップとは

サンシャイン・ポップは、1960年代中期にアメリカ、特に南カリフォルニアで流行したポップミュージックのサブジャンルです。日本では「ソフトロック」という名称で広く認知されています。この音楽ジャンルは、カリフォルニア・サウンドとフォークロックが融合し、イージーリスニングや当時のドラッグカルチャーの影響を受けながら、独自の音楽性を築き上げました。

サウンドの特徴

サンシャイン・ポップの最大の特徴は、サンバのリズムを取り入れた軽快なアレンジと、豊かで美しい歌声です。楽曲の多くは、世界の美しさへの感謝や、ノスタルジーと不安感が入り混じった独特の雰囲気を醸し出しています。特に、ママス&パパスやフィフス・ディメンションといったグループの音楽スタイルを模倣したバンドにこの傾向が強く見られます。

このジャンルに影響を与えたアーティストとしては、カート・ベッチャーやビーチ・ボーイズのブライアン・ウィルソンなどが挙げられます。特にビーチ・ボーイズは、サンシャイン・ポップに大きな影響を与えたバンドの一つとされていますが、彼らの音楽がこのジャンルと完全に一致することは稀でした。ビーチ・ボーイズのアルバム『ペット・サウンズ』のオーケストラスタイルは、多くのロサンゼルスのレコードプロデューサーによって模倣されました。

マイナーな流行と再評価

サンシャイン・ポップは、アソシエーションが数曲チャート上位に入った程度で、メジャーな流行とは言えませんでした。多くのグループがアルバムを一枚程度リリースしただけで、商業的な成功を収めることはありませんでした。1970年代初頭にはほぼ廃れ、1980年代には英米で「忘れ去られた音楽」と見なされていました。

しかし、1980年代半ばから日本で「ソフトロックブーム」が起こり、このジャンルは再評価されることになります。渋谷や青山などの輸入レコード店や、ミニコミ音楽誌が中心となり、フリッパーズ・ギターの小山田圭吾や小沢健二、ピチカート・ファイヴの小西康陽といった「渋谷系」と呼ばれるミュージシャンに影響を与えました。その後、レコード会社やCDショップが積極的に再発を進めたことで、日本国内での人気が高まり、「ソフトロック」という言葉も定着しました。

1970年代後半から1980年代の英米では、サンシャイン・ポップは忘れられた音楽でしたが、1980年代後半から1990年代初頭にかけて、日本のレコード会社がCD化を進めたことで、逆輸入的に注目されるようになりました。1990年代後半には、欧米でも「サンシャイン・ポップ」という名称が与えられ、再評価の動きが広まりました。日本では「ソフトロック」という名称の方が広く理解されており、このジャンルを説明する際に用いられています。

主なミュージシャン

サンシャイン・ポップの代表的なミュージシャンには以下のアーティストがいます。

• - ビーチ・ボーイズ
• - ブライアン・ウィルソン
• - ブルース・ジョンストン
• - フィフス・ディメンション
• - アソシエイション
• - デザイン
• - フリー・デザイン
• - グラス・ルーツ
• - ハーモニー・グラス
• - ハーパース・ビザール
• - ミレニウム
• - ロジャー・ニコルズ
• - ペパーミント・レインボー
• - マイク・ラヴ
• - サジタリウス
• - ソルト・ウォーター・タフィー
• - スパンキー&アワ・ギャング
• - ストロベリー・アラーム・クロック
• - サンシャイン・カンパニー

これらのアーティストたちは、サンシャイン・ポップの独特なサウンドを形成し、後の音楽シーンに大きな影響を与えました。

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