サンフアン (軽巡洋艦)

USS San Juan (CL-54) の概要

USS San Juan (CL-54) は、アメリカ海軍の軽巡洋艦で、アトランタ級軽巡洋艦の4番艦として1942年に就役しました。艦名はプエルトリコの都市「サンフアン」に由来し、以前にも同名の艦が存在しました。

艦歴の詳細

サンフアンは1940年5月にマサチューセッツ州のベスレヘム・スチールで建造を開始し、1941年の9月に進水。艦長ジェームズ・E・マーヘル大佐の指揮のもと、1942年2月に就役しました。就役後、サンフアンは大西洋での整調を終え、太平洋へと向かいました。1942年の6月には、空母ワスプと共に航行し、兵員輸送船団の護衛を務める任務に従事しました。

サンフアンは特に、ウォッチタワー作戦においてフロリダ諸島ツラギ島への上陸部隊に砲撃支援を行い、日本軍の攻撃機に対する防衛に努めました。連合軍上陸部隊は度重なる空襲に苦しみながらも、サンフアンは最前線での警戒を続けました。特にこの艦は、連合軍護衛艦艇の中で唯一SGレーダーを装備しており、優位な情報収集能力を誇りました。

南太平洋海戦

1942年8月、サンフアンは連合軍の作戦に参加し、重要な役割を果たしました。8月26日には、サンフアンと他の艦艇が南太平洋海戦に臨み、日本機動部隊との接触を果たしました。艦尾に命中した250キロ爆弾による損傷があったものの、生還を果たし、引き続き戦闘に貢献しました。この戦闘では日本機に多大な損害を与えつつも、アメリカ側も駆逐艦や空母の損失がありました。

1943年から1945年

サンフアンは1943年以降も、ソロモン諸島やブーゲンビル島の戦闘に関与。特に、ブーゲンビル島の戦いでは、ラバウル方面への交通路を阻止するために艦隊との連携を強化しました。さらに、マーシャル諸島やエニウェトクの戦闘支援にも参加し、数多くの空襲を行いました。1944年からは、多数の航空機攻撃を護衛しながら、日本本土への攻撃計画に従事しました。

1945年には、ルソン島攻略のために出撃し、台湾や沖縄、さらにはインドシナ半島にまで及ぶ攻撃作戦に参加しました。最終的には、日本の降伏後に捕虜解放作戦にも従事し、連合軍の復員活動に関与しました。

戦後の運命

サンフアンは1946年に退役し、その後は予備艦隊に編入。艦種も防空軽巡洋艦へ変更されましたが、その後の10年ほど現役に戻ることはありませんでした。最終的には1959年に除籍され、1961年にスクラップとして売却される運命を迎えました。サンフアンは第二次世界大戦の功績により13個の従軍星章を受章し、その歴史に名を刻みました。

このように、USS San Juan は太平洋戦争におけるアメリカ海軍の重要な艦艇として、多くの艦隊作戦に積極的に参加し、戦局に影響を与えた存在でした。

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