サーデグ・ラーリージャーニー

サーデグ・アルダシール・ラーリージャーニー

サーデグ・アルダシール・ラーリージャーニー（Sadeq Ardeshir Larijani、ペルシア語: صادق اردشیر لاریجانی、1960年3月12日 - ）は、イランのウラマー（アーヤトッラー）であり、影響力のある政治家です。彼は、司法府長官（2009年 - 2019年）を歴任し、現在は公益判別会議議長（2018年 - ）と専門家会議議員を務めています。サーデグ・アーモリー・ラーリージャーニーと表記されることもあります。

経歴

1960年3月12日、イラクのナジャフで、アーヤトッラーであるミールザー・ハーシェム・アーモリーを父として生まれました。彼の兄弟には、モハンマド＝ジャヴァードや、イラン国会議長を務めたアリー・ラーリージャーニーがいます。

ラーリージャーニーは、監督者評議会のメンバーを8年間務めました。一部からは「経験不足」や「イラン軍や諜報機関との密接な関係」を指摘する声もありました。2009年8月14日、イランの最高指導者アリー・ハーメネイーによって司法府長官に任命されました。2009年の大統領選挙後に発生したデモに対しては、「不法」かつ「根拠がない」として厳しい対応を取りました。

2016年2月に行われた第5期専門家会議選挙では、マーザンダラーン州選挙区（定数4）から立候補し、トップで当選を果たしました。2018年12月には、公益判別会議議長に任命され、現在に至ります。

政治的イデオロギー

ラーリージャーニーは、保守的な政治的イデオロギーを持つことで知られています。2006年には、「イラン政府の権威は国民の投票によらない」という発言をしています。また、モハンマド・ハータミー元大統領の改革を批判する立場を取り、1998年3月の記事では、ハータミーが提唱した市民イスラム社会を非難しました。ラーリージャーニーは、信仰生活を送り、クルアーンの命令や預言者、導師の教えが実行される社会を支持すると述べています。

さらに、イランの知識人であるアブドルカリーム・ソロウシュの批判者としても知られています。ソロウシュは、イスラームをイデオロギーではなく、個人的な生き方であると主張しています。

司法府長官としての活動

司法府長官として、ラーリージャーニーは様々な政策を実行しました。2009年9月7日には、司法府長官の許可を得て、イラン警察が政治犯を支援する事務所に立ち入り、書類やコンピュータを没収しました。この事務所は、イランの刑務所で拷問を受けた人々を支援することを目的として設立されたものでした。

2009年9月8日には、司法官が「National Confidence」という野党の事務所を捜索し、野党指導者の協力者であるモルテザー・アルヴィーリーやアリーレザー・ベヘシュティーらを逮捕しました。また、同月には、司法官が野党指導者の子どもたちを標的にしたとされる事例もありました。例えば、投獄中の活動家ジャヴァード・エマームの娘であり、2009年の大統領選候補者ミール・ホセイン・ムーサヴィーの選挙担当でもあったアーテフェ・エマームは、9月9日に逮捕され、24時間にわたって拘留され、父親に関する取り調べを受けました。

2019年3月、司法府長官を退任しました。

ラーリージャーニーは、イラン政治において重要な役割を果たしており、その動向は注目されています。

صادق لاريجاني 本人のサイト（ペルシア語）

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