ザ・ミラクル (曲)

楽曲概要

「ザ・ミラクル」（The Miracle）は、イギリスのロックバンド、クイーンが1989年に発表した楽曲で、同名のアルバム『ザ・ミラクル』の最後にシングルカットされたタイトルチューンです。作曲は、フレディ・マーキュリーとジョン・ディーコンの共作とクレジットされていますが、実際にはメンバー全員が楽曲制作に関わっています。この曲は、EMIから発売されたクイーンのアルバムの中で、5枚ものシングルがカットされた初の事例となりました。

制作背景

フレディとジョンがコード進行とテーマを決定した後、フレディがメロディーを創り上げました。歌詞や音楽的なアイデアはメンバーそれぞれから提供されましたが、アルバム収録時の取り決めにより、楽曲のクレジットは実際の作曲者に関わらず「クイーン」名義となっています。フレディとブライアンはこの曲を特にお気に入りの曲として挙げていますが、ロジャーは「信じられないほど複雑なトラック」と評しつつも、個人的にはあまり好んでいないと述べています。

楽曲の特徴

歌詞には、ゴールデンゲートブリッジやタージ・マハルのような著名な建造物、バベルの塔やカインとアベルといった聖書の記述、キャプテン・クック、ジミ・ヘンドリックスのような著名な人物など、神が創造した大小さまざまなものが「奇跡 (miracle)」として描かれています。この壮大なテーマを、クイーンならではの重厚なサウンドとフレディの力強いボーカルが彩っています。

ジャケットとB面収録曲

シングルのジャケットには、アルバムのジャケットを反転させたホログラムが使用されています。B面には、アルバム『世界に捧ぐ』から「マイ・メランコリー・ブルース」と、「ストーン・コールド・クレイジー」のライブバージョンが収録されています。

ミュージックビデオ

ミュージックビデオは、クイーンのメンバーを演じる4人の少年が登場します。ブライアン役はポール・ハワード、ジョン役はジェームズ・カーリー、ロジャー役はアダム・グラディシュ、フレディ役はロス・マッコールが演じ、ステージ上でパフォーマンスを繰り広げます。ビデオの終盤には本物のクイーンが登場し、少年たちと共演します。特にフレディ役のマッコールは、70年代、80年代初期、ライヴ・エイド、86年マジック・ツアーと、フレディの様々な時代の衣装を着用しています。ロジャーによれば、フレディはビデオでの演技が上手かった少年たちを見て、「自分たちの代わりに彼らをツアーに送ろう」と冗談を言ったそうです。NMEの2011年版によると、ブライアン役のハワードは、現在ロンドンのロックバンド、シルバリーのフロントマンとして活躍しています。

シングル収録曲

7インチ盤:
1. ザ・ミラクル - The Miracle (Queen)
2. ストーン・コールド・クレイジー (ライヴ・アット・ザ・レインボー‘74) - Stone Cold Crazy (Live At The Rainbow, London '74) (Queen)

12インチ盤:
1. ザ・ミラクル - The Miracle (Queen)
2. ストーン・コールド・クレイジー (ライヴ・アット・ザ・レインボー・ロンドン '74) - Stone Cold Crazy (Live At The Rainbow, London '74) (Queen)
3. マイ・メランコリー・ブルース (ライヴ・アット・ヒューストン・テキサス '77) - My Melancholy Blues (Live At Houston, Texas '77) (Freddie Mercury)

担当

フレディ・マーキュリー - リードヴォーカル、コーラス、ピアノ、シンセサイザー
ブライアン・メイ - エレクトリックギター、コーラス
ロジャー・テイラー - ドラムス、パーカッション、コーラス
ジョン・ディーコン - ベース

チャート

（チャートに関する情報は提供されていません）

外部リンク

Official music video - YouTube
Lyrics at Queen official website (from The Singles Collection Volume 4)

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