ジッダ

ジッダの概要

ジッダ（アラビア語: جدّة‎, 英語: Jeddah）は、サウジアラビアのマッカ州に位置する紅海沿岸の都市で、首都リヤドに次いで国で二番目に大きな都市です。現在、人口は約340万人に達し、イスラム教の聖地であるマッカへの主要な巡礼コースとして利用されています。毎年、ハッジの時期にはジッダを通じて200万人以上の巡礼者が訪れ、ジッダ港やキング・アブドゥルアズィーズ国際空港は賑わいます。

ジッダの名前の由来

ジッダの名前には二つの主な説があります。一つは「海岸」を意味し、その交通の要所としての役割を反映しています。もう一つは、アラビア語で「おばあちゃん」を意味する「jaddah」という語に由来するとの説で、ここには人類の祖であるイヴの墓とされる場所もあります。この場所は巡礼者の中からも信仰の対象となっていましたが、1975年には政府の宗教当局により覆いがされました。

歴史的背景

ジッダは2,500年以上前から存在する漁村です。647年には第3代カリフウスマーンにより港が整備され、巡礼者を迎える港町として発展しました。ヒジャーズ地方の中心都市として栄え、エジプトやインド洋との交易路に位置することで重要な役割を果たしてきました。1762年にはサウード家がこの地域を統治するようになり、その後の戦争を経て1925年にはサウジアラビア王国の一部として正式に認められました。

地理と気候

ジッダは数世代にわたるオイルマネーにより急速に発展し、旧市街には伝統的な建築も残されています。海岸には名高いプライベートビーチとリゾートが立ち並び、ハッジの巡礼者に必要不可欠な交通の要所です。気候は砂漠気候ですが、紅海沿いに位置するため高温多湿で、夏季には気温が45度近くに達します。

文化と民族事情

ジッダは多民族共存の文化を持つ都市であり、様々な宗教や民族が共存しています。歴史的にもリベラルな街とされ、アジア、アフリカ、ヨーロッパからの移民も多く、彼らがこの地に根付いて生活しています。Second World War以降の石油ブームにより、世界中から労働者が集まり、さらに多様化を進めました。

アートと国際的な関係

ジッダの市政府は1970年代から1980年代にかけて公共空間にパブリックアートを設置し、市内には著名な彫刻が点在し、野外彫刻美術館とも称されています。また、日本との関係も深く、総領事館が設立されています。

教育機関

ジッダは高等教育機関が多く、キング・アブドゥルアズィーズ大学をはじめとする大学が多数存在します。これにより、様々な学問の分野での教育が行われています。

世界遺産

2014年に登録された「歴史的ジッダ」は、マッカへの玄関口としての重要性や、独特な建築スタイルが評価されています。

ジッダは多面的な魅力を持つ都市であり、歴史、文化、宗教、経済が交差する場所として、訪問者にとって特別な体験を提供しています。

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