シディ・ベル・アッベストラム

シディ・ベル・アッベストラムの概要

シディ・ベル・アッベストラム（Sidi Bel Abbès tramway）は、アルジェリアの市立交通システムの一環として運行される路面電車です。2017年に営業運転を開始し、これにより地域の混雑解消や公共交通機関の拡充が図られています。このトラムは、多くの都市で同様に運営される町の交通手段の一つで、アルジェリアの鉄道会社セトラム（STRAM）によって運営されています。

建設背景

この路面電車の建設は、アルジェリア政府の都市交通改善の取り組みの一環として、主要都市での交通混雑を緩和する目的で始まりました。工事は2013年6月からスタートし、トルコの企業であるヤプ・メルケジが請負業者として関与しました。2016年12月には試運転が行われ、2017年7月には正式な開通式が行われました。このプロジェクトは地域の公共交通の利便性を大幅に向上させることを目指しています。

路線と運行

2020年の時点で、シディ・ベル・アッベストラムの路線は総延長13.8 kmに及びます。北部エリアには新興開発地域を一周するループ線があり、南バスターミナルから出発する列車（V1）は左回り、カスケードから出る列車（V2）は右回りで走行します。ループ線を経由しない運行も可能であり、利用客のニーズに応じたサービス展開が行われています。電停は全部で22カ所あり、16カ所には券売機が設置されています。運賃は片道30ディナールで、30日間利用できる定額制の「TAWASSOL」カードも利用可能です。

列車はラッシュ時には10分間隔、それ以外の時間帯では15分間隔で運行されており、運行時間は朝の5時30分から夜の22時までです。特別ダイヤの設定も行われており、ラマダーン期間中などの特別な時期に合わせたダイヤが組まれます。開通当初からバス路線の再編も実施され、シディ・ベル・アッベストラムへの接続性が重視されています。その結果、1日の利用者数は約55,000人に達し、地域交通の重要な役割を果たしています。

車両について

シディ・ベル・アッベストラムのトラム車両は、フランスのアルストムが設計し、アルジェリアのシタル（CITAL）で最終組み立てが行われた超低床電車のシタディス402型です。これらの車両は7車体連接の両運転台車で、車体色は地域特有の小麦畑をイメージした黄土色となっています。車内には空調設備や監視カメラ、車椅子用フリースペースが設けられており、全30両の車両が快適な空間を提供しています。

今後の展望

2019年時点での計画では、シディ・ベル・アッベストラムは南バスターミナルから南方にある大学方面への路線延伸が予定されています。延伸が実現すれば、総延長は17.8 kmに達する見込みです。これに伴い、さらに多くの市民と学生がこの公共交通機関を利用することが期待されています。シディ・ベル・アッベストラムは今後も地域交通の重要な一翼を担い続けることでしょう。

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