シベリウス (小惑星)

シベリウス (1405 Sibelius) について

シベリウスは、小惑星帯の内縁部に位置する小惑星です。フローラ族というグループに属しており、その特徴から石質の小惑星であると考えられています。直径はおよそ7キロメートルと推定されています。

発見と命名

この小惑星は、1936年9月12日にフィンランド南西部のトゥルク天文台で、フィンランドの天文学者ユルィヨ・バイサラによって発見されました。小惑星の名前は、フィンランドの著名な作曲家であるジャン・シベリウスに由来しています。ジャン・シベリウスは、フィンランドの民族主義的な音楽を代表する作曲家であり、その功績を称えてこの小惑星に名前が付けられました。

軌道と分類

シベリウスは、小惑星帯の中でも内側に位置しており、太陽からの距離は1.9から2.6天文単位（AU）の範囲で公転しています。公転周期は約3年5か月（1,234日）で、軌道離心率は0.15、軌道傾斜角は黄道面に対して7度です。この軌道の特徴から、シベリウスはフローラ族と呼ばれる、小惑星帯の中でも特に石質の小惑星が多く存在するグループに分類されています。観測記録は、公式な発見の2週間前にトゥルクで行われた観測から始まっています。

物理的性質

シベリウスは、パンスターズ観測調査によってS型小惑星に分類されています。S型小惑星は、ケイ酸塩を主成分とする岩石質の小惑星であり、比較的明るい表面を持つことが特徴です。

自転周期

2007年10月には、チェコのオンドジェヨフ天文台でペトル・プラヴェツによってシベリウスの自転周期が測定されました。その結果、明るさの変化が0.11等級であり、自転周期は6.051時間であることが明らかになりました。自転周期の測定は、小惑星の形状や内部構造を理解する上で重要な情報となります。

直径とアルベド

シベリウスの直径とアルベド（反射率）については、いくつかの観測結果が存在します。IRAS（赤外線天文衛星）や、NASAの広域赤外線探査衛星（WISE）の観測ミッションであるNEOWISEによって、直径は6.21キロメートルから12.18キロメートルの範囲、アルベドは0.14から0.48の範囲であると推定されました。Collaborative Asteroid Lightcurve Linkでは、ペトル・プラヴェツがWISEの熱観測を修正した結果として、アルベドを0.3191、直径を7.20キロメートルとしています。これらの観測結果から、シベリウスは比較的小さな岩石質の天体であることがわかります。

命名の由来

シベリウスという名前は、フィンランドのロマン派から近代にかけて活躍した作曲家、ジャン・シベリウスに由来します。ジャン・シベリウスは、フィンランドの国民的作曲家として知られ、交響曲や管弦楽曲など、多くの作品を残しました。この小惑星の名前は、彼の音楽における貢献を称えて付けられました。

その他の情報

シベリウスの軌道や物理的な特徴については、JPL Small-Body Databaseなどの天文データベースで詳細な情報を確認することができます。また、小惑星の光度曲線や自転周期に関する研究も進められており、今後も新たな発見が期待されます。

シベリウスは、小惑星帯に存在する多くの小惑星の一つであり、その研究は太陽系の起源や進化を理解する上で重要な役割を果たしています。

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