シャタパタ・ブラーフマナ

シャタパタ・ブラーフマナ



【概要】
シャタパタ・ブラーフマナ（Śatapatha-Brāhmaṇa）は、サンスクリットで「百の道のブラーフマナ」を意味し、白ヤジュルヴェーダに関連する重要な文献です。この書物は、現存するブラーフマナの中で最も包括的で詳細なものであり、全体で100の章（アディヤーヤ）から成り立っています。

この書には、マーディヤンディナ版とカーンヴァ版という二つの異なる版が存在します。前者は14巻（kāṇḍa）から成り、後者は17巻にわたっています。それぞれの巻は、複数の章（adhyāya）、そして各章はさらに小さな部分（ブラーフマナ）と節に分けられています。特に、マーディヤンディナ版の最初の9巻は、白ヤジュルヴェーダに属するヴァージャサネーイ・サンヒターの初めの18巻を注釈しているのが特徴です。

残りの5巻では、巻10が火の祭壇に関する神秘を扱い、巻11はそれ以前の巻での祭儀を繰り返し述べています。さらに、巻12と巻13では多様な補足的な出来事が取り上げられ、最終巻である巻14はプラヴァルギヤ祭（Pravargya）から始まり、ブリハッド・アーラニヤカ・ウパニシャッドの6章で終わります。

【内容】
シャタパタ・ブラーフマナは、祭儀に関する多くの議論を提供するだけでなく、後世の叙事詩やプラーナ文献にも登場する伝説も扱っています。特に巻1第8章第1ブラーフマナでは、著名な伝説である大洪水とマヌ、イダーに関する物語が描かれています。この章には、『マハーバーラタ』のアルジュナの子孫として知られるクル王ジャナメージャヤに関連するエピソード（13.5.4.1）や、カーリダーサによる戯曲『プルーラヴァスとウルヴァシー』に見られる伝説（11.5.1.1）、さらにはシャクンタラーの物語（13.5.4.13）も含まれています。さらに、巻6では創造神話に関する話が展開されています。

【翻訳】
シャタパタ・ブラーフマナのマーディヤンディナ版の本文は、アルブレヒト・ヴェーバーによって校訂・出版されています。また、東方聖典叢書には、ジュリアス・エッゲリングによる英訳が収められており、特に巻12、26、41、43、44については1882年から1900年の間に公開されています。あわせて、ブリハッド・アーラヤニカ・ウパニシャッドは同じ叢書の別の巻にマックス・ミュラーによる翻訳があるため、ここでは省略されています。

【脚注と外部リンク】
本書に関する詳細な情報を得るためには、以下のリンク先を訪れることをお勧めします。

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