シュヴィー

シュヴィー：ニューヨーク牝馬三冠を制した名牝の軌跡

シュヴィーは、アメリカ合衆国で誕生し、活躍したサラブレッドの競走馬です。類まれな能力を持ち、数々の名勝負を繰り広げ、アメリカ競馬の歴史にその名を刻みました。特に、史上2頭目のニューヨーク牝馬三冠馬として知られており、その輝かしい功績は現在も語り継がれています。20世紀のアメリカ名馬100選にも選出されるなど、その評価は極めて高いです。

若き日の苦闘と才能の開花

1968年5月、シュヴィーは2歳でデビューしました。高い評価を得ていましたが、デビュー当初は追い込み戦法が安定せず、6連敗という苦杯をなめることになります。6戦目では、後に最大のライバルとなるタウィーに敗れ、厳しい現実を突きつけられました。しかし、7戦目で初勝利を挙げると、才能が開花し始めます。

8戦目では、早くもライバルであるギャラントブルームと対戦。惜しくも3着に敗れましたが、続くフリゼットステークスでギャラントブルームと再戦。今度は僅差で勝利を収め、その実力を証明しました。しかし、ガーデニアステークスでは再びギャラントブルームに敗れ、ライバルとの戦いは続くことになります。

3歳時：ニューヨーク牝馬三冠達成

3歳になったシュヴィーは、カムリーステークスでタウィーと接戦を繰り広げ、惜しくも2着に敗れました。しかし、この経験を糧に、ニューヨーク牝馬三冠（当時5～6月開催）に挑戦します。

エイコーンステークス、マザーグースステークス、そしてコーチングクラブアメリカンオークスと、3冠レースを全て制覇。しかも、着差は走るごとに広がり、エイコーンステークスでは3/4馬身差、マザーグースステークスでは2馬身1/2差、コーチングクラブアメリカンオークスでは3馬身差と、圧倒的な強さを見せつけました。3冠レースではいずれもヘイルトゥーパッツィーが2着に入線しましたが、シュヴィーの圧勝は揺るぎないものでした。

続くアラバマステークスも制覇し、勢いに乗るシュヴィーでしたが、ギャラントブルームには相性が悪く、デラウェアオークスでは17馬身差の4着、最後の対戦となったガゼルステークスでは6馬身1/2差の3着と、完敗を喫しました。この結果、最優秀3歳牝馬の称号はギャラントブルームに奪われてしまいました。

この敗戦後、シュヴィーはベルデイムステークスで3着、ヴォスバーグハンデキャップでは6着と、やや調子を落としました。ヴォスバーグハンデキャップにはタウィー、ゲイムリーといった名牝も出走しており、シュヴィー、タウィー、ゲイムリーの3頭による世代最強牝馬決定戦とも言えるレースとなりました。

古馬時代：頂点からの引退

4歳時、シュヴィーはトップフライトハンデキャップ、ダイアナハンデキャップ、そして前年敗れたベルデイムステークスを制覇します。牡馬との対戦となったウッドワードステークスでは5着に敗れましたが、16ハロンで行われたジョッキークラブゴールドカップでは先行逃げ切りで勝利を収めました。

5歳時になると、トップフライトハンデキャップ、ダイアナハンデキャップ、ジョッキークラブゴールドカップと主要レースを連覇。特に引退レースとなったジョッキークラブゴールドカップでは、後続に7馬身差をつける圧勝劇で華々しくキャリアを終えました。

シュヴィーの獲得賞金は890,445ドルと、同期のギャラントブルーム、タウィーを上回り、その活躍ぶりは数字にも表れています。

評価とその後

シュヴィーは数々の栄誉に輝きました。1975年にはアメリカ競馬名誉の殿堂博物館に選出され、1976年にはベルモントパーク競馬場に「シュヴィーハンデキャップ」が創設されました。そして1999年には、ブラッド・ホース誌の選ぶ20世紀のアメリカ名馬100選で70位にランクインしました。

シュヴィーの競走成績は、その卓越した能力と、常に頂点を目指した闘志、そして数々の名勝負を彩ったライバルたちとの関係性によって、アメリカ競馬史に不滅の足跡を残しました。彼女の活躍は、これからも多くの競馬ファンを魅了し続けることでしょう。

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