タウィー

タウィー：アメリカ競馬史に名を刻んだ名牝

タウィー（1966年-1980年）は、アメリカ競馬界にその名を轟かせた、類まれな才能を持つ競走馬、そして繁殖牝馬でした。アメリカ競馬殿堂入りを果たした名馬ドクターフェイガーの妹として生まれた彼女は、1969年と1970年、アメリカの短距離レース界を席巻し、2年連続で最優秀短距離馬の栄冠に輝きました。その華麗なる競走生活と、引退後の功績、そしてアメリカ競馬界への貢献を紐解いていきます。

華麗なる競走生活：短距離女王の誕生

タウィーの父は、ジェロームハンデキャップなどG1競走で勝利経験のある名種牡馬インテンショナリー。母アスピディストラは、名門タータンステーブル所有者ウィリアム・L・マクナイト氏から贈られた繁殖牝馬で、既にドクターフェイガーを産み出した名牝でした。彼女に付けられたユニークな名前「タウィー」は、スー族の言葉で「美しい少女」を意味するとのことです。

1968年7月30日、サラトガ競馬場でのデビュー戦は4着とやや不発に終わりましたが、2戦目で初勝利を挙げると、その後もライバルたちとの接戦を制し、頭角を現していきます。2歳時は4戦2勝の成績。スピナウェイステークスにも出走しましたが4着でした。

3歳シーズンは、ジャスミンステークスとプライオレスステークスで勝利を収め、勢いに乗ります。5月にはアケダクト競馬場で行われたカムリーステークスで、後に最大のライバルとなるシュヴィーとの激闘を演じ、アタマ差の惜しい2着に終わりました。しかし、この経験が彼女の短距離路線への集中をより一層強固なものにしたと言えるでしょう。その後、彼女はテストステークス、フォールハイウェイトハンデキャップ、インターボローハンデキャップなどで勝利を重ね、短距離女王としての地位を確立していきます。

1969年末に行われたヴォスバーグハンデキャップは、タウィーの競走馬としてのキャリアにおける重要な転換点となりました。このレースでは、三冠牝馬シュヴィー、そして前年の最優秀古牝馬ゲイムリーといった強豪と対戦。タウィーは、これらの名牝たちを相手に、見事な勝利を収め、その名を一躍有名にしました。この年の10戦8勝という輝かしい成績により、彼女はアメリカ最優秀短距離馬に選出されました。

1970年も、タウィーは短距離路線で活躍を続けました。コレクションハンデキャップなどで勝利を収め、インターボローハンデキャップでは連覇を達成。7戦5勝2着2回という素晴らしい成績を残し、2年連続でアメリカ最優秀短距離馬に選出されるという偉業を成し遂げました。

引退後と殿堂入り：偉大な血統の礎

1970年、インターボローハンデキャップを最後に引退したタウィーは、タータンファームズで繁殖牝馬として繋養されました。彼女は6頭の競走馬を産み落とし、そのうち5頭が勝ち上がり、4頭がステークス競走で勝利を収めました。大競走を制する馬こそ産みませんでしたが、ジェロームハンデキャップなどに勝利したグレートアバヴは種牡馬となり、後にアメリカ殿堂馬となるホーリーブルの父となりました。タウィーの血統は、アメリカ競馬界に大きな影響を与え続けました。

1980年に死亡したタウィーですが、その偉大な競走成績と、繁殖牝馬としての功績を称え、1994年にアメリカ競馬名誉の殿堂博物館は彼女を殿堂入り馬として迎え入れました。さらに、1999年にはブラッド・ホース誌の選ぶ20世紀のアメリカ名馬100選において、第80位にランクインしています。

タウィーの競走生活は、短距離レースにおける卓越した能力と、強豪相手に勝利を重ねた輝かしい記録によって彩られました。そして、引退後も繁殖牝馬として活躍し、アメリカ競馬界に貢献し続けた彼女の功績は、今もなお語り継がれています。彼女が残した偉大な遺産は、これからもアメリカ競馬界に影響を与え続けることでしょう。

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