ゲイムリー

ゲイムリーは、アメリカ合衆国で誕生したサラブレッドの競走馬です。20世紀のアメリカ名馬100選に選出されるなど、アメリカ競馬史に名を刻む名牝として知られています。

3歳でデビューしたゲイムリーは、当初は負担軽減のため出走を遅らせていました。しかし、デビュー戦からその能力の高さを示し、2戦目で初勝利を収めます。その後、安定した成績を収めつつ経験を積み重ね、プリンセスステークスで重賞初制覇。勢いに乗ると、続くテストステークスでは6馬身差の圧勝、トラックレコードを樹立する快挙を成し遂げました。さらにアラバマステークスでも勝利を収め、この年だけで4勝を挙げました。

4歳になると、西海岸を主戦場として活躍の幅を広げます。サンタマリアハンデキャップ、サンタマルガリータ招待ハンデキャップと連勝を重ねると、牡馬相手のレースにも挑戦。カリフォルニアンステークスでは西海岸を代表する牡馬、ドクターファーガーと対戦し、2着と健闘しました。続くイングルウッドハンデキャップでは接戦を制し勝利を収めます。

牡馬相手に好成績を残したゲイムリーは、ヴァニティハンデキャップでは59.5kgという重い斤量を背負いながらも、レースレコードを更新する快走で勝利しました。ダイアナハンデキャップでは1位入線したものの、降着という悔しい結果に終わりますが、続くベルデイムステークスでは積極的なレース運びで勝利。この年は7勝を挙げ、最優秀古馬牝馬の栄冠に輝きました。

5歳になっても現役を続けたゲイムリーは、サンタアニタハンデキャップで強豪牡馬ノーダブルと対戦し2着に入線。前年降着となったダイアナハンデキャップで雪辱を果たすと、ベルデイムステークスでは2歳年下のシュヴィーを破るなど、衰えを見せることはありませんでした。しかし、引退レースとなったヴォスバーグハンデキャップでは8着と結果を残せず、競走馬生活に幕を閉じました。このレースには、ゲイムリー、ドクターファーガーの妹タウィー、シュヴィーなど、当時の名牝が多数出場していました。

引退後は繁殖牝馬として期待され、初仔のセリーニはデューハーストステークスを制覇しました。しかし、1975年、2番目の仔を出産後5日目に胃破裂により急死するという悲劇に見舞われました。その偉大な功績を称え、クレイボーンファームに埋葬されました。

ゲイムリーの主な勝鞍は、3歳時にプリンセスステークス、テストステークス、アラバマステークス、4歳時にサンタマリアハンデキャップ、サンタマルガリータハンデキャップ、ウィルシャーハンデキャップ、イングルウッドハンデキャップ、ヴァニティハンデキャップ、ベルデイムステークス、5歳時にサンタモニカハンデキャップ、ウィルシャーハンデキャップ、ダイアナハンデキャップ、ベルデイムステークスなどです。

1968年と1969年には最優秀古馬牝馬に選出され、1980年にはアメリカ競馬名誉の殿堂博物館に殿堂馬として選定。1999年にはブラッド・ホース誌の選ぶ20世紀のアメリカ名馬100選において第87位にランクインしました。さらに、ゲイムリーの功績を称え、ハリウッドパーク競馬場で開催されていたロングビーチハンデキャップは「ゲイムリーハンデキャップ」（現在はゲイムリーステークス・G1）に改称されました。ゲイムリーは、類まれな能力と輝かしい戦績を残した、アメリカ競馬史に燦然と輝く名牝として永遠に記憶されています。

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