ジェネシス (バンド)

ジェネシス (Genesis)

ジェネシスはイングランドで結成されたロックバンドであり、1970年代には独自のシアトリカルなプログレッシブ・ロックのスタイルで広く知られるようになりました。1980年代に入ると、フィル・コリンズが中心となり、スタジアム・ロックとしてさらなる成功を収めました。彼らは2010年には「ロックの殿堂」に選ばれ、その業績が認められました。

来歴

結成期

ジェネシスは1967年、イングランド南東部のサリー州にあるチャーターハウス・スクールの生徒たちによって結成されました。ピーター・ガブリエル、アンソニー・フィリップス、トニー・バンクス、マイク・ラザフォード、クリス・スチュワートの5人は、当時それぞれ異なるバンドで活動していました。ガブリエルはドラマーとして活動し、その後フィリップスとともにセミプロ・バンド「The Spoken World」に参加しました。そして彼らはこのバンドでの経験を経て、ジェネシスを結成しました。

シアトリカル期 (1969-1975)

1969年、彼らはミュージシャンでプロデューサーのジョナサン・キングのもとでアルバム『創世記』をリリースし、デビューを果たしました。しかし最初の評価は芳しくなく、アート・ロックの方向性を意識して綿密に制作した次作『侵入』から徐々に認知度を高めていきました。1971年のアルバム『怪奇骨董音楽箱』では、プログレッシブ・ロックとしての評価を確立し、ガブリエルの演技力豊かなパフォーマンスにより圧倒的な支持を得ました。ただし1975年には彼がプライベートな理由から脱退し、その後の活動はフィル・コリンズがリード・ボーカルを担当することになりました。

プログレッシブ時代 (1976-1978)

フィル・コリンズの加入後、グループは新たなサウンドへと進化しました。リズムを強調したアプローチが加わり、特にアルバム『そして3人が残った』はアメリカでも人気を集め、シングル「フォロー・ユー・フォロー・ミー」がヒットしました。1978年には初来日コンサートも行われ、国際的な名声を得ます。

アリーナロック時代 (1979-1995)

1980年代、コリンズはソロ活動を積極的に展開し、「夜の囁き」などのヒットを生み出しました。バンドとしても1984年にヒット曲「ザッツ・オール」をリリースし、1986年にはアルバム『インヴィジブル・タッチ』が大ヒットを記録。特にアルバムタイトル曲は全米チャートでトップを獲得しました。この時期、メンバー各自がソロ活動にも力を入れ、コリンズは特に成功を収めることになります。

脱退と新生 (1996-1998)

1996年にはコリンズが脱退し、レイ・ウイルソンを新たなボーカリストとして迎えた新生ジェネシスが誕生しました。1997年のアルバム『コーリング・オール・ステーションズ』はイギリスで好評を得たものの、アメリカでは期待外れの成績に終わり、バンド活動は1998年に一旦停止します。

リユニオン (2006-2008・2010)

2006年、コリンズ、バンクス、ラザフォードのオリジナルメンバーによる再結成が発表され、ツアーも行われました。2008年にはフィルが健康上の問題から活動を引退することを発表し、バンドは正式な解散を宣言することなく活動を終了しました。2010年には「ロックの殿堂」に名を刻み、多くのファンから愛され続けました。

フェアウェルツアー (2020-2022)

2020年、フィル・コリンズらによる「The Last Domino? Tour」が発表され、2021年にツアーが実施されました。2022年には最終公演を迎え、メンバーは観客に対してこのツアーが最後のステージであることを示唆しました。ジェネシスの歴史における重要なマイルストーンは数多くの音楽的遺産を残し、今なお多くのファンに愛されています。

メンバー

現在のメンバーはフィル・コリンズ、マイク・ラザフォード、トニー・バンクスの3人です。彼らはそれぞれの役割を果たしつつ、サポートメンバーとともにライブ活動を行っています。さまざまな変遷を経ながらも、ジェネシスはロックの歴史に名を刻むバンドとして影響力を持ち続けています。

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