ジェリー・クーズマン

ジェローム・マーティン・クーズマンの選手生活

ジェローム・マーティン・クーズマンは、1942年12月23日にアメリカのミネソタ州アップルトンで生まれた元メジャーリーグベースボール（MLB）選手であり、主に投手として活躍しました。彼のキャリアは、主に1960年代から1970年代にかけてのもので、多くのファンから愛される存在となりました。

ニューヨーク・メッツでのデビュー

クーズマンは、1964年8月27日にニューヨーク・メッツと契約し、1967年の4月14日にフィラデルフィア・フィリーズ戦でメジャーデビューを果たしました。彼はその後のシーズンで急速に成績を伸ばし、1968年にはロサンゼルス・ドジャースとの対戦で完封勝利を挙げてメジャー初勝利を達成しました。この年、前半戦での成績は11勝4敗、防御率1.94という優れたもので、オールスターゲームにも選出されました。

1968年のクーズマンは、シーズン通算で19勝12敗、防御率2.08、完封は7回と、自己最高の成績を残しましたが、オールスターゲームMVPの投票では、同僚のトム・シーバーを上回る成績でありながらジョニー・ベンチに敗れてしまいます。

躍進の1969年

1969年、クーズマンの活躍は続きましたが、序盤での故障に悩まされます。それでも復帰後の5月28日には、サンディエゴ・パドレス戦で10回無失点、15奪三振という素晴らしいパフォーマンスを見せました。最終的に、17勝9敗、防御率2.28の成績を残し、再びオールスターゲームに選ばれました。この年、メッツはリーグ優勝を果たし、ワールドシリーズへと進出しました。

ワールドシリーズでの栄光

ワールドシリーズでは、クーズマンはボルチモア・オリオールズとの第2戦で先発し、6回まで無安打に抑える圧巻のピッチングを披露しました。最終的には9回途中で2安打1失点の成績で勝利投手となり、シリーズの王手をかけた第5戦でも見事な完投勝利を挙げ、メッツは歴史的なワールドチャンピオンに輝きました。この成功の年は「ミラクル・メッツ」として語り継がれています。

後半生と移籍

その後のクーズマンは、1976年までに6度の二桁勝利を記録します。1976年には初めての20勝となる21勝を挙げ、サイ・ヤング賞の投票でも2位に入ります。しかし、1977年にはチームが主力選手を放出し、苦しいシーズンを迎えます。1978年シーズン後、ミネソタ・ツインズへトレードされ、その後も活躍を続けました。

彼のミネソタでのキャリアは、1979年に20勝を挙げることで復活を遂げ、1980年には16勝を記録。1981年にはシカゴ・ホワイトソックスに移籍し、1982年と1983年もそれぞれ11勝をマークしました。1984年にはフィラデルフィア・フィリーズに移籍し、そこでも14勝を挙げましたが、1985年には6勝に終わり、シーズン後に戦力外通告を受け、引退を決意しました。

引退後の名声

彼は1989年にメッツの殿堂入りを果たし、その後も彼の背番号『36』は2021年に永久欠番に指定されるなど、その功績が讃えられています。クーズマンの選手としての献身や成績は、今なお野球ファンの心に残っているでしょう。

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