ジェロニモ (キン肉マン)

ジェロニモ：人間から超人へ、不屈の魂を持つ戦士

ジェロニモは、ゆでたまご作の漫画『キン肉マン』およびその続編『キン肉マンII世』に登場する、非常に人気のあるキャラクターです。初登場時は普通の人間でしたが、類まれな精神力と不屈の闘志で、後に超人へと進化を遂げます。彼の成長と活躍は、多くの読者に勇気と感動を与えてきました。

人物像

ジェロニモは、インディアンのチェロキー族出身の青年で、目が隠れるほどの長い髪が特徴です。一人称は「オラ」を使い、語尾に「ズラ」とつけることが多い、独特の口調を持っています。これは、インディアンが使用する西部訛りの英語を意識した表現です。他のアイドル超人を「先輩」や「さん」付けで呼び、常に謙虚な態度で接します。自分自身を「一番の未熟者」と称しながらも、いざという時には自己犠牲を厭わない、強い責任感と正義感の持ち主です。

もともとは超人に憧れる一人の人間に過ぎませんでしたが、並外れた根性と精神力で数々の試練を乗り越えていきます。特に、黄金のマスク編では悪魔六騎士の首領格であるサンシャインを倒すという偉業を成し遂げました。その後、スーパーマンロードの試練を乗り越え、真の超人として宇宙超人タッグ・トーナメントに出場するなど、その活躍は多岐に渡ります。

作者の嶋田隆司は、読者からの「僕も超人になりたい」というファンレターに触発され、読者に親近感を持ってもらえるようにジェロニモを登場させたそうです。また、超人の中に一人人間を入れ、頑張れば人間でも超人に勝てるという物語を描きたかったと語っています。

『キン肉マン』でのジェロニモ

生い立ち

幼少期、妹と共に孤児だったジェロニモは、シャイアン族長に引き取られ育てられました。そのため、族長を実の親のように慕っています。またこの頃、超人（スーパーマンロードの神）に命を助けられた経験から、超人に対して強い憧れを抱くようになります。青年になった彼は、超人への恩返しを誓い、故郷の村を後にします。

黄金のマスク編

黄金のマスク編で初登場を果たしたジェロニモは、瀕死のキン肉マンを救出するため、自ら生命維持装置を破壊するという衝撃的な行動に出ます。その後、ウォーズマンの体内に侵入した悪魔騎士を倒すため、リサイクル・ゾーンへと飛び込みます。そして、悪魔騎士の首領格であるサンシャインとの戦いに挑み、未熟ながらも不屈の根性で勝利を掴み取ります。しかし、その直後、悪魔将軍に挑み瀕死の重傷を負い、命を落としてしまいます。それでもなお、霊体としてキン肉マンを支え続け、最終的には完璧のマスクの力で生命のみ蘇ります。

この時、悪魔将軍にスピン・ダブルアームをかけられている際、「ロビンマスクたちと一緒に驚いているジェロニモ」が描かれている場面がありました。これは、双子、ドッペルゲンガー、生霊説など様々な解釈を生みましたが、公式には「幽体離脱」とされています。

夢の超人タッグ編

夢の超人タッグ編では、廃人同然の状態からスーパーマンロードの試練を乗り越え、真の超人として生まれ変わります。テリーマンとタッグを組み「ニュー・マシンガンズ」として、宇宙超人タッグ・トーナメントに参戦しますが、はぐれ悪魔超人コンビとの戦いで重傷を負い、生死の境を彷徨います。しかし、ドクター・ボンベの治療により回復し、決勝戦ではキン肉マンの手術を手伝います。

キン肉星王位争奪編

キン肉星王位争奪編では、ハワイチャンピオンの座を奪取した後、キン肉マンチームに副将として参加。知性チームの中堅ジ・オメガマンと対戦しますが、オメガマンの強力な必殺技により敗北します。しかし、ネプチューンマンに救われ、再びオメガマンに立ち向かいますが、二度目の必殺技を受け、消滅してしまいます。その後、幽霊超人としてキン肉マンを勝利に導き、最後はフェイス・フラッシュにより蘇生します。この際、作者はジェロニモが単なるやられ役にならないよう、逞しく成長した姿を意識して描いたそうです。

完璧超人始祖編

平和を取り戻した地球を見届け、キン肉星に帰還。正義超人・悪魔超人・完璧超人との間に三属性不可侵条約が締結されます。しかし、完璧超人軍の襲来により、テリーマンの代わりに戦いを挑むも負傷。再び戦おうとするも、再び負傷し入院します。

オメガ・ケンタウリの六鎗客編

叙勲式では、大魔王サタンの結界に閉じ込められますが、ジャスティスマンの活躍により解放されます。

新シリーズ

調和の神を始めとする超神たちが地上に襲来した後、テリーマンと組んで、超神との戦いに臨みます。プリズマンからカピラリアの欠片を受け継ぎ、超神との戦いを続けます。バベルの塔の1階では、超神ジ・エクスキューショナーと対戦。最初は苦戦しますが、新必殺技で勝利。その後、エクスキューショナーがスーパーマンロードの神だったことを知り、共にバベルの塔の最上階へ移動します。最後は、カピラリア砲の一部となり、地上と天界の崩壊を食い止めますが、仮死状態になってしまいます。

『キン肉マンII世』でのジェロニモ

『キン肉マンII世』では、正義超人養成学校「ヘラクレス・ファクトリー」の教官として登場。卒業試験ではデッド・シグナルに敗北します。究極の超人タッグ編では、未来から来た新世代超人を敵視しますが、後に彼らの協力により時間超人と戦い、重傷を負います。しかし、最終話で復活を果たします。

劇場版でのジェロニモ

劇場版では、他のアイドル超人と共に様々な活躍を見せます。特に第4作ではハイドラキングを撃破。第5作では江戸時代へタイムスリップ。第6作では悪魔将軍に吸収されますが、キン肉マンに救出。第7作ではキン肉マンを奮い立たせるために一芝居打つなど、様々な場面で活躍します。

得意技

ジェロニモの得意技は、以下の通りです。

アパッチのおたけび：チェロキー族に伝わる秘技で、大音量の叫びで衝撃波を発生させる。
トマホークチョップ：強力なチョップ攻撃。
トマホーク・トルネード：トマホークチョップを回転させ、旋風を起こす。
ウッド・カッター・ハンド：フライングチョップ。
トマホークボンバー：両手を使った一撃。
カピラリアチョップ：カピラリアの力を纏った手刀。
双手蹂躙スープレックス：チキンウィングで締め上げて投げるスープレックス。
ニュー・マシンガンズ カウベルスタンピード：テキサスクローバーホールドの体勢で落下し激突させる。
アパッチの断末魔：アパッチのおたけびの強化版。

タッグ技

ジャパニーズ・レッグロール・ホールド：テリーマンとの合体技。
アームブリーカー：ツープラトンで、アシュラマンの腕を折った。
竜巻地獄返し：アシュラマンの竜巻地獄に対抗した技。
友情の涙雨：ブロッケンJr.との合体技。

プロフィール

本名：ジェロニモ・ヤングマクダニエル
分類：人間→正義超人
出身地：アメリカ・オクラホマ州
身長/体重：180cm/80kg
血液型：O型
超人強度：なし（人間時）/83万パワー
誕生日：6月17日
家族：義父シャイアン族長、妹
好物：いなり寿司、イタズラ小僧
異名：若きアパッチの勇者、リアル超人レスラーなど多数
主な肩書き：キン肉マンチーム・副将、ヘラクレス・ファクトリー教官
個人タイトル歴：ハワイ超人ヘビー級

声優

塩沢兼人 (テレビアニメ『キン肉マン』)
林延年（テレビアニメ『キン肉マン キン肉星王位争奪編』）
大場真人（テレビアニメ『キン肉マンII世』）
山崎たくみ (各種コンピュータゲーム)
小野賢章(パチスロキン肉マン)
大場真人（テレビアニメ『キン肉マン 完璧超人始祖編』）

テーマソング

魂のおたけび

まとめ

ジェロニモは、人間から超人へと成長を遂げるという特異なキャラクターです。彼の不屈の魂と、自己犠牲を厭わない勇敢な姿は、多くの読者に感動と勇気を与えてきました。連載が続くにつれて、その強さも増しており、今後の活躍からも目が離せません。

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