ジェームス・E・ムーア

ジェームス・エドワード・ムーア（James Edward Moore, 1902年11月19日 - 1986年1月28日）は、アメリカ合衆国の軍人であり、琉球列島高等弁務官として知られています。マサチューセッツ州ニューベッドフォードで生まれ、1924年に陸軍士官学校を卒業後、軍人としてのキャリアをスタートさせました。

第二次世界大戦中には、ヨーロッパ戦線で重要な役割を果たし、ノルマンディー上陸作戦にも参加しました。戦後、ムーアはハワイ南部地区司令官などを歴任し、1955年には琉球列島高等弁務官の前身である琉球列島民政副長官に就任しました。この時期から、ムーアは沖縄の軍政に深く関わることになります。

1957年7月4日、琉球列島高等弁務官制が導入されると、ムーアは初代高等弁務官に就任しました。彼の在任中、沖縄ではアメリカ軍による軍用地の接収が大きな問題となり、島ぐるみ闘争と呼ばれる住民運動が活発化しました。ムーアはこれらの運動を、共産主義の影響を受けたものと見なし、沖縄人民党への弾圧を含む強硬な反共政策を推し進めました。その一例として、那覇市長であり、沖縄人民党の幹部であった瀬長亀次郎を、過去の人民党事件での前科を理由に市長職から追放しました。これは、ムーアの強硬な姿勢を示す象徴的な出来事として知られています。

ムーアの高等弁務官としての任期は1958年4月30日まででしたが、彼の政策は沖縄の政治と社会に大きな影響を与えました。彼の在任中の政策は、沖縄におけるアメリカ軍政の歴史において、重要な転換点の一つとされています。

ジェームス・エドワード・ムーアは、1986年1月28日に亡くなり、アーリントン国立墓地に埋葬されました。彼の生涯は、アメリカ軍人としてのキャリアだけでなく、沖縄における軍政の歴史においても重要な役割を果たした人物として記憶されています。

関連情報

アメリカ合衆国による沖縄統治
琉球列島米国民政府

外部リンク

沖縄県公文書館
守礼の光－米国琉球列島高等弁務官府機関誌
* James Edward Moore

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